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2010年12月22日 (水)

強制わいせつ事件:知的障がい者の告訴能力

障害者わいせつ:起訴無効を破棄、差し戻し 高裁宮崎支部

 知的障害者の女性への強制わいせつ罪などに問われた被告(61)の控訴審で、福岡高裁宮崎支部は21日、検察官の起訴を無効として公訴を棄却した1審の宮崎地裁延岡支部判決を破棄。審理を宮崎地裁に差し戻した。榎本巧裁判長は「被害者には被害状況などについて認識などがあった。告訴能力(被害を訴える能力)があるのに、ないとした1審判決は、告訴能力に関する事実認定を誤り不法」と述べた。

 公判では、被害者の女性(30)に告訴能力があるかが最大の争点となり、検察側は精神科医の鑑定結果などを基に「ある」と主張し、弁護側は「ない」と反論していた。知的障害者の告訴能力の有無が争われる裁判は珍しく、障害者団体などの注目も集めていた。

 1審では、法廷で裁判長が被害女性に告訴状と供述調書の違いなどについて尋ね、女性が説明できない場面があった。1審判決は「被害者は被害を自発的に説明できない」などとして告訴能力を否定したが、榎本裁判長は「健常者でも法廷では緊張を強いられ、法律知識が乏しい一般人でも違いを説明できるというものではない」としたうえで「被害者への質問の仕方や内容などに問題があり、自発的証言を引き出せなかった疑いもある」と指摘した。

 控訴審で、検察側は被害女性を鑑定した精神科医を証人出廷させ、医師は「被害女性は中学生以上の社会的能力があり、被害感情も訴えた」と述べた。2審判決は「知的障害者の特性を十分に配慮して鑑定をしたことがうかがわれ、公正さや能力に欠けるところはない」と、鑑定の信用性を認めた。

 そのうえで、榎本裁判長は「犯罪となるべき行為で被害を受けたという客観的経緯を認識して被害感情をもち、犯人に公的制裁を望む能力があれば、告訴能力を認めるべきだ」と指摘。精神鑑定時の様子や警察官とのやりとりなどから「女性には被害状況について認識があり、被告への処罰を求めている」として女性の告訴能力を認め、1審判決を破棄し、審理を宮崎地裁に差し戻した。

 被告は09年2月11日午後、被害女性を誘い出して車に乗せ、体を触るなどのわいせつな行為をしたとして起訴され、懲役2年6月を求刑されていた。判決後、福岡高検の渡辺徳昭次席検事は「検察官の主張が認められた妥当な判決」とコメントした。【川上珠実】  (毎日新聞)

知的障がい者で告訴能力がないから,強制わいせつ罪で起訴できない?

これって,被害者の人権はどうなるのでしょう。たとえば,重度知的障がい者がわけのわからないうちに姦淫されれば,準強姦罪ですよね。親告罪だから告訴しました。しかし,裁判をやってみたら告訴能力がありませんでしたですみますか?

刑法では強制わいせつ罪は親告罪ですが,13歳未満の男女の場合は,告訴は必要ありません。知的障がい者であれば成人でも行為能力は13歳未満と考えられ,親告罪とするのは無理があると思うのは,法律素人の私だからでしょうか?

もし,知的障がい者は,告訴能力がない,だから起訴できない,なんてことがまかり通れば,知的障がい者は性犯罪の犠牲者になっても泣き寝入りということになり,法治国家はどこに行ったのかということになりませんかヽ( )`ε´( )ノ

この高裁の判断は,当然だと思います。障害者の権利に関する条約が批准されようかというときに,なんということかと思いました。これは,明らかに差別だと感じました。

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