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2011年1月 5日 (水)

解離性同一性障害(多重人格)と2児殺害事件

大阪市西区のマンションで平成22年7月、幼い姉弟2人の遺体が見つかった虐待死事件で、殺人容疑で再逮捕された母親の下村早苗容疑者(23)=23年1月31日まで鑑定留置=に対する精神鑑定が、主に「多重人格」かどうかを調べる目的で実施されていることが2日、関係者への取材で分かった。国内の症例は少なく、幼少期の生い立ちが影響した可能性もあるため、大阪府警と大阪地検は慎重に周辺捜査を進めている。

記事本文の続き 下村容疑者は22年12月、産経新聞記者の接見取材に、鑑定医から多重人格かどうかを調べると告げられたことを明らかにし、「(事件は)覚えているが、自分がやったこととは思えない」と話した。

 府警と地検は、仮に多重人格と診断されても責任能力に問題はなく、刑事責任を問えるとみているが、裁判員裁判での立証をにらんだ綿密な捜査が必要になりそうだ。

 複数の関係者によると、今回の精神鑑定で対象になっているのは「解離性同一性障害」と呼ばれる多重人格の有無。後天性とされ、耐えがたいストレスから逃れるために元の人格とかけ離れた人格が出てくる精神障害という。

 本人は無意識のうちに人格を変えるため、長時間接している周囲の人でないと発見しづらいという。虐待や性犯罪などの被害者に散見されると指摘する専門家もいる。

 府警の調べに対し下村容疑者は「私が家に帰らず、食事や飲み物を与えなかったので死んだ」「後悔している。2人は今も私を恨んでいると思う」と供述。一方で大阪・ミナミの繁華街で知り合った男性らと遊び歩いたり、三重県四日市市で男友達らを食事に誘ったりしていたとされる。

 府警は22年7月30日に死体遺棄容疑で、8月10日に殺人容疑で下村容疑者を逮捕。地検は8月25日、大阪地裁に約3カ月間の鑑定留置を請求、地裁は認める決定をしたが、その後、鑑定留置期間を23年1月31日まで延長した。再延長がなければ、地検は精神鑑定の結果を踏まえ、勾留(こうりゅう)期限の2月上旬に起訴するかどうか判断するとみられる。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/480359/ から

昨日,ある方から上記の記事が1月3日付産経新聞朝刊に載っていた,と連絡をいただきました。

解離性同一性障害(DID)で刑事事件を起こしたケースは,私も支援経験があります。罪名は伏せますが重大な犯罪でした。

わが国では解離性同一性障害は,その人の人格の複数の内1人が犯した犯罪で,その人格が犯罪をしたことを認識しているのであれば,責任能力が問えるといった判断がなされているようです。

なお,解離性同一性障害のほとんどは,虐待など幼少期の過酷な体験がベースになっているようです。下村容疑者も報道では幼少時ネグレクト被害に遭っていたということですが...それがベースで解離性同一性障害の状態になっていれば,今までにも解離状態(自分が自分でなくなるような状態)を経験しているのでは?

さて,解離性同一性障害だからといって,完全に人格がバラバラになってしまい,主人格との意思疎通ができなくなってしまったり,それぞれの人格間の交流が亡くなってしまったりするタイプばかりではないようです。解離が不全なパターンもあるようで,その場合,主人格が他人格から他人格がした行為を知らされたりするような場合もあるようです。だからやった行為を認めているからと言って,解離性同一性障害ではないと言い切れないのでは?と素人ながら思ってしまいました。

もっと,解離性同一性障害を知りたい方は本を読むか,たとえば下記の赤城高原ホスピタルのHPを見てください。(赤城高原ホスピタルさんのHPには,いつも参考にさせていただいて感謝しています。)

http://www2.wind.ne.jp/Akagi-kohgen-HP/DID.htm

「じゃあ責任能力は?」と言われると,それは裁判員と裁判官の皆さんが判断することなので私がとやかく言えるわけではないのですが,個人的な見解として,その時,別人格が起こした犯罪であっても,主人格がたとえ後で認識していれば,やはりその人が起こした犯罪であるということは言えるでしょう。ただし,解離状態で全く覚えていない場合はどうでしょうか?そして,解離の影響が大で記憶もつぎはぎであったり,ぼんやりしているような状態の場合は,犯行時完全責任能力があったとは言えないのでは?と思います。勿論,ど素人の戯言ですが(^_^;)

とりあえず,鑑定結果に注目したいと思いますが,本来2名殺害の死刑求刑でもおかしくないような悲惨な事件ですし,裁判員がしっかり判断できるような鑑定を個人的には期待します。

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