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2011年5月

2011年5月31日 (火)

地域生活定着支援センターについて

刑務所などの矯正施設を出たのに、再び罪を犯してしまう高齢者や障害者が目立つなか、入所中からフォローし、出所後すぐに適切な福祉サービスを受けて社会復帰できるように手助けする「地域生活定着支援センター」が、今年度中に全都道府県に設置される見通しとなったことが28日、厚生労働省各自治体への取材で分かった。国内最大の刑務所とされる府中刑務所を抱える東京都も今月24日から全国41番目としてセンターの運営を開始。未設置なのは6県となった。(酒井潤)

 センターは都道府県の保護観察所などと連携。担当者が刑務所に実際に足を運び、受刑者が退所後に必要とする福祉サービスのニーズを把握。出所後、どこで暮らしたいかなどの希望も聞き、受け入れ先の自治体のセンターと調整する。

 このため、センターが全自治体に設置されないと連携した対応をとれない可能性があり、全国のネットワークが構築できるよう、国は早期設置を求めてきた。

 再犯リスクを低減

 法務省の調査や犯罪白書によると、親族などの受け入れ先がない満期出所者は約7200人。この中で高齢や障害があるなど、自立が困難なのは約1千人にのぼる。また、65歳以上の満期出所者が5年以内に刑務所に再入所する率は70%前後という。法務省は「適切な福祉が受けられない状況が再犯リスクを高めている」と説明する。

 センターはこれまでに全国41都道府県で設置済み。未設置なのは福島、新潟、山梨、富山、徳島、高知の6県となった。このうち徳島、高知両県は6月1日開所予定で、山梨県も「今秋には開設したい」としており、ほかの県も年度内の開設にこぎ着けたいという。

 福島県は平成23年度予算に盛り込み、準備に取りかかっていたところに震災と原発事故に見舞われた。担当している同県社会福祉課は義援金の窓口など被災者支援も行っているため、対応に苦慮。同課は「震災で状況が変わったが、重要性は理解しているので最大限の努力はしたい」と話す。

 運営費・職員数が課題

 ようやく、全国に広がりそうなセンターだが、課題も少なくない。運営費は国の補助金でまかなわれるが、自治体や抱えている矯正施設の規模にかかわらず、額は1施設当たり1700万円。ある自治体の担当者は「この金額では刑務所などに足を運ぶ交通費だけでも大変」と明かす。業務にあたる職員数も常勤・非常勤あわせて4人程度にとどまるセンターが多い。

 センター設置を目指すある自治体の担当者は「細やかな対応ができるのかどうか。おろそかになる可能性もあるのではないか」と危惧。すでに設置した自治体の担当者も「補助金の額など、国に再考してほしい部分は多い」と話している。

 全国地域生活定着支援センター運営協議会事務局は「全国に設置されれば、ノウハウを共有し、統一性を持った支援が可能になる。今後は人口や矯正施設の規模に見合った補助金の増額などを国に働きかけていきたい」と話している。

ようやっと全都道府県設置の目処がたってきましたね。徳島などはLBの徳島刑務所があるので高齢出所者のニーズも高いでしょうね。がんばってください。

以前書いた京都も奈良もすでに設置されていて,大阪矯正管区は全府県に定着支援センターができました。

確かに委託費が高いとは言えず,従事する職員数も限られているのですが,これからは質も問われるところです。拝見していると,かなりセンターによって構えが違うようですね。以前書きましたが,帰住地のある一般調整の人でもかなり問題のある人がいるのです。また,少年院は基本的に仮退院ですから特別調整になりません。

特別調整優先なので特別調整で線を引かれると,必要な支援からもれてしまう人がいると思います。その人たちが再犯したらと思うと...考えさせられます。

全国の定着支援センターの皆さん,是非頑張ってください!皆さんを必要としている人はたくさんいるはずです。どうか本人中心主義を忘れないでくださいね。当たり前でしょうけど。

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2011年5月30日 (月)

奈良県桜井市の保護責任者遺棄致死事件に思う

この事件,一審判決は被告人の父母ともに懲役9年6月でした。双方とも控訴していません。

この事件で,児童福祉の問題もさることながら,子育て支援の問題があることを知らされます。

大阪市西区の2児放置事件もそうですが,子を育てる親への教育が欠けているのではないでしょうか?

核家族化の進行や貧困などの問題もそこには絡んでいるのかもしれません。ひょっとしたら,見過ごされている障がいが関係しているということもあるかもしれません。

この父母も9年もすれば出てくるのでしょう。また,親になる可能性もあるわけです。虐待の再犯といった悲しいことにならないようにと思います。

受刑中や保護観察においては,暴力や性犯罪などの再犯防止の指導プログラムをおこなっています。

虐待事案は,また別の防止プログラムが必要であるような気がしてなりません。

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2011年5月27日 (金)

先だって久しぶりに京都医療少年院に行ってきました~少年院で思うこと

先だって久しぶりに京都医療少年院に行ってきました。

発達障がいがある人の面接でした。

季節柄,中庭にきれいな花がたくさん咲いていました。京都医療少年院では,いわゆる白バッジ(1級の上)の作業科目は園芸ですから,仮退院の近い白バッジの少年たちが手入れをしているのだろうと思いました。

さて,ほとんどの少年は仮退院しますが,少年院の満期は原則20歳の誕生日です(処遇上延長されて20歳を超える場合もあります)

たとえば,窃盗(万引き)で14歳で少年院に収容された少年が,生活環境調整がうまくいかず仮退院できなくて満期まで収容されていたとしたら,6年も少年院で生活することになります。成人の場合,万引きの初犯(初めての受刑)で6年は刑務所に行きませんよね...

何か矛盾を感じてしまうのです。

少年の場合,生活環境調整は非常に大事だと思います。

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2011年5月25日 (水)

週末里親の知的障がいのある少女に対するわいせつ事件

福岡県内の児童養護施設から「里子」として預かった少女にわいせつ行為をしたとして、児童福祉法違反(淫行(いんこう)させる行為)の罪に問われた会社員、被告(38)の初公判が23日、福岡地裁(深野英一裁判官)であった。被告側は、わいせつな行為を複数回繰り返したことを認めたうえで「死別した妻と似ていた少女に恋愛感情を抱いてしまった」と述べて謝罪した。裁判はこの日で結審し、検察側は懲役2年6月を求刑した。

被告は今年2月7日、自宅で少女に自分の下半身を押しつけるなどしたとして起訴された。検察側の冒頭陳述によると、被告は08年夏ごろから夫婦で「週末里親」を始めたが、10年春ごろ妻が死去。同12月ごろから週末里親として預かった少女に、わいせつ行為を繰り返すようになったと指摘した。

 少女が友人に相談するなどして発覚。福岡県警は今年3月に準強姦容疑で逮捕したが、被告が容疑を一部否認したことなどから、福岡地検は立証が困難と判断。児童福祉法違反の罪で福岡地裁に起訴していた。(毎日新聞)

亡妻に似ていた?確かにそうかもしれません。しかし,元々親に養育されていないというハンディーと知的障がいというハンディーをもった少女にわいせつ行為をする?

それ自体に怒りを覚えるのですが,それよりも,妻を亡くした男性の所に少女を週末里親に出すこと自体がおかしいのでは?知らなかったというのであれば,調査不足としか言いようがありません。

楽しい週末のはずが,こんなひどい週末だったとは...もしもこの被告人が知的障がいがあるから(大丈夫)などと思っていたら許せません。もちろん,もしもの話ですが。

最近,悲しい事件が多いです。この被告人の亡くなった奥さんは,草葉の陰で泣いているのでしょうね。この被告人は,被害者だけではなく奥さんにも心からわびるべきです。

この事件は,週末里親の制度の在り方に大きいな影響を与えたと思います。行政ももっと慎重な調査をしていただきたいものです。

この被告人は,被害者の心の傷に今後どう報いていくのでしょうか?

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2011年5月24日 (火)

岡山の知的障がい者監禁致死事件について

知的障害で高等支援学校に通う長女(16)の手足を縛って死亡させたとして、岡山県警岡山西署は23日、岡山市北区北方2、無職、清原陽子容疑者(37)を逮捕監禁致死容疑で逮捕した。長女は発見時の体重が27キロしかなく、かなり痩せていた。清原容疑者は自分で110番通報した際、「しつけをするために縛って立たせた」と説明していたが、逮捕後は黙秘しているという。同署には2年前、市内にある児童相談所から「身体の虐待とネグレクト(養育放棄)の疑いがある」と情報提供があったという。

 逮捕容疑は今年2月28日午後8時ごろ、自宅アパートで、岡山県立岡山瀬戸高等支援学校1年の麗(れい)さんを裸にし、手足をビニールひもで縛って約5時間にわたって風呂場に立たせ、放置して死亡させたとされる。

 清原容疑者は翌日午前1時20分ごろ、麗さんが倒れているのに気付いて「娘が風呂場で死んでいる」と110番していた。麗さんは警察官が現場に駆け付けた時は息があったが同午前3時10分ごろ、病院で死亡が確認された。低体温症だった。

 救急搬送の際、麗さんの体に複数のあざが見つかり、身長137センチ、体重27キロで小学校中学年程度。文部科学省の調査では、麗さんと同じ16歳女性の平均身長は157・7センチ、体重は52・7キロ。麗さんには知的障害があり、読み書きの能力は小学2年生程度だったという。【五十嵐朋子】(毎日新聞)

この母娘の間に何があったのでしょうか?被疑者である以上まだ犯人と決まったわけではありませんから,何とも言えない部分があります。

事件は2月末から3月1日ですから,この母は娘が死んだ現場に1ヶ月以上住んでいたのでしょうか?どういう心境だったのかとも思います。お葬式は,出したのでしょうか?

知的障がいがある被害者の娘さんは,どういう娘さんだったのでしょうか?しつけとのことですが,厳しいしつけを受けないといけないほどの問題行動があったのでしょうか?高等特別支援学校とのことで,中度程度の知的障がいのようですから就職を目指していたのでしょうか?

いずれにせよ,人一人の命が奪われたことには変わりありません。被疑者の母は黙秘しているようですが,娘さんの冥福のためにも真実を語ってほしいと思います。

知的障がい者への虐待事件は,結構起こっています。食事をさせなかったり,保険金詐欺のために親が殺めたケースもあります。もし,障がいがあるということで,障がい者の命を健常者といわれる人々よりも軽く見てしまっているのならば,こんな悲しいことはありません。

もうかなり前のことですが,心臓移植に関わったとき,アメリカではダウン症の人など知的障がいのある人は臓器の提供を受けることができないと聞きました。強い憤りを覚えました。命よりも優生を優先するとは...

本件も,もし被害者がノーマルな領域の人であったらこんなことには,おそらくなっていないわけです。自ら願って背負ったわけではない障がいのために,死という最大の生活支障を被った被害者のご冥福をお祈りします。

合掌

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2011年5月23日 (月)

知的障がい者対応専門弁護士の派遣

当番弁護士や国選弁護人の派遣要請を警察や裁判所から受ける際、容疑者の知的障害の有無を連絡してもらい、知的障害に詳しい「専門弁護士」を派遣する新制度の導入を、大阪弁護士会が目指している。知的障害者の取り調べについては、江田法相が全面可視化(録音・録画)の試行を指示しており、同会は「可視化と二本柱で捜査をチェックしたい」としている。

 知的障害がある容疑者の捜査では、〈1〉取調官に迎合して虚偽の自白をする恐れ〈2〉「黙秘権」など刑事手続き上の言葉の意味が理解できない危険性――などが指摘されている。昨年11月には大阪地検堺支部が、一度は放火を自白した被告について「妄想を交えて話す傾向がある」と判断、公判前に起訴を取り消したケースがあった。

 当番弁護士や国選弁護人の派遣は、警察や裁判所が容疑者の意向を聞いたうえで弁護士会や日本司法支援センター(法テラス)に依頼するケースが多いが、現状では知的障害の有無を連絡する仕組みはない。

 大阪弁護士会は2009年、知的障害に関する専門知識を持った弁護士を養成する研修を開始。過去2年間に十数件、研修を受けた弁護士を派遣したが、これらは報道で把握しての「押しかけ派遣」や、福祉関係者からの依頼に限られている。漏れなく情報収集する方法が課題だった。

 同会の構想では、容疑者が、知的障害者に交付される「療育手帳」を所持していたり、特別支援学校の通学歴があったりした場合、当番弁護士などの派遣依頼を受ける際に警察などからその情報を提供してもらい、研修修了者から弁護士を選ぶ。今後、警察や裁判所に協力を求め、今夏にも予想される全面可視化の試行に合わせて導入したい考えで、派遣可能の弁護士をまず50人程度確保し、将来的には200人程度に増やしたいとしている。

 同会障害者刑事弁護部会の辻川圭乃弁護士は、全面可視化はあくまで事後の検証手段。取り調べの早期段階から弁護士がつくことで障害者の権利擁護にさらに近づく」と説明している。

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(2011年5月9日  読売新聞)
以前から知的障がいがあるがゆえに,誘導などで自供に結びついているのでは?ということは以前からこのブログでも何度も申し上げてきました。
あってはならないことですが,知的障がいがあるがゆえに迎合してしまい,被疑者に仕立て上げられてしまった事件が実際いくつかありました。
私は,これが氷山の一角であるならば恐ろしいことと思います。ですから,この度大阪弁護士会がこのような取り組みをされることは,素晴らしいことだと思います。
福祉サイドとしても,どういった取り組みができるのか考えていく必要があるでしょう。私は今までひとりでやっていた部分が多く,そのつけが今回ってきています。やっぱり,被疑者被告人段階からの対応を多くの福祉現場の人にやってもらいたいと思います。刑事司法手続における協働実践を弁護士とソーシャルワーカーでおこなう事は可能なのですから。
研究会やりたいと思っていますので,その節は皆さんも是非よろしくお願いいたします。

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2011年5月19日 (木)

更新遅れてすいません(触法関係のケースが増えてきました)

ブログ更新が遅れ気味ですいません。

結構触法関係のケースが増えてきました。ただ,今までと違って,直接私が話を聞いたり,裁判に出廷とということよりも,メールや電話でのやり取りや,更生支援計画書作成のアドバイス,地域の支援者との連絡調整といったことがメインになっています。

これは,こういった対応を広めて,「その地域で支援してもらおう」という私の思い通りで大歓迎であります。

もどかしい感が無いのかと言われてしまえば,確かにそういう面はあるのですが,何よりも,こういった支援を広げていくことが非常に大事であると思っています。

今日も,そういった支援中の人の裁判で,支援者の一人が初尋問に至りました。地域でしっかり支援していくことが大事なのです。

新聞に載るような大きい事件の対応をすることになっても,このスタンスは続けて行きたいものですが,あんまり大きな事件だと,やっぱり思わず前に出てしまうかもしれませんね(^_^.)

受刑中の人への手紙の返事もたまり気味ですが,何とかがんばっていこうと思っています。スキルを上げるよう努力するのもソーシャルワーカーの義務ですよね。勉強もしなければ。

これからも皆さんよろしくお願いします。

P.S. メール相談もちろんOKです。急ぐ場合は,できる限り早く返事しますよ(^_^)v

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2011年5月14日 (土)

公判中の知障がい者のケース

先だって,在宅で公判が続いている知的障がいのある被告人と面談する機会がありました。

略式起訴,略式命令でもおかしくない案件なんですが,公判請求されたケースです。しかも,長くなっています。弁護人の気合いを感じる事件です。

初犯で,実刑はまずなく,罰金刑ではと思われるケースなんですが,情状鑑定も認められています。

「そこまでしなくても」と思われるかもしれません。ですが,やったことは悪いことです。したがって,なんらかの刑罰が与えられるのは当然なことです。しかし,法の下の平等を考えると,障がいはちゃんと斟酌してもらわねばいけません。

「罰金刑だから適当でいい」ではないのです。もし訴訟能力のない人が「どうせ罰金刑だから」と適当に裁かれていたらとんでもないことです。

この被告人にとって,裁判が続くのは辛いことでしょう。ですが,悪いことをすれば辛いことになるということはわかってほしいと思います。

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2011年5月11日 (水)

少年ケースが増えました

ここのところ少年のケース,仮退院や保護観察がらみが増えました。

以前ほどは時間が取れないので,相談支援をアドバイスする形などで対応していますが,少年院に行って面接する予定があったりします。

少年の案件は,相談支援事業所に居た時の終わりぐらいから増えてきたような気がしますが,元々社会的なニーズを抱えた少年でなおかつ障がいがあるわけですから,ずーっと困難事例で存在していて,保護観察所などで対応してきていたんでしょうね。

更生保護が刑事司法と福祉のコラボレートされるにつれて,福祉で対応する少年の案件も増えていって当然です。

少年の案件だけではありませんが,まずは本人と会ってみないとわかりません。情報だけの時はモンスターだったが,会ってみたら拍子抜けというのが多いパターンです。

これも勉強と思って,何とか頑張ります!

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2011年5月10日 (火)

クレーン車事故起訴に

栃木県鹿沼市で登校中の小学生6人がクレーン車にはねられ死亡した事故で、宇都宮地検は9日、容疑者(26)を自動車運転過失致死の罪で起訴した。地検は被告が運転中にてんかんの発作を起こしたとし、08年に起こした別の事故もてんかんが原因と断定。この事故は当時「眠気」が原因と認定され、高瀬一嘉次席検事は「てんかんの捜査をしていれば今回の事故が起きなかった可能性がある。残念だ」とコメントした。

 起訴状などによると、被告はてんかんの持病があり、医師に運転しないよう指導されていたのに、4月18日午前7時45分ごろ、クレーン車を運転。てんかん発作で意識を失い対向車線にはみ出し、登校中の市立小4~6年の児童6人をはね、死亡させたとしている。

 また地検は、被告が08年4月に当時小学5年の男児をはねた事故も再捜査の結果、てんかんが原因と断定した。当時、被告は執行猶予付き有罪判決を受けたが、原因は「眠気」とされていた。

 起訴を受け、警察庁は9日、意識障害などを起こす病気にかかっている運転免許申請者に正確な病気の申告を促すよう、都道府県警に通達した。被告が免許の取得・更新時に申告していなかったことを踏まえた。【岩壁峻、鮎川耕史】(毎日新聞)

本件は起訴されました。起訴できると簡易鑑定上も判断されたのでしょう,多くの尊い命が奪われたのですから,当然と言えば当然かもしれません。

ただ,てんかんという障がいをもっと社会が理解しなければ,いけないのではとも思うのです。

てんかんで就職がうまくいかないケースを知っていますが,労働安全や発作時の周囲の目を重視するあまりに,てんかんのある人が雇用に至らず,てんかんを隠して働かざるをえない場合もあると思います。

てんかん発作で死に至ることは極めてまれです。もっとてんかんを広く社会が理解することが大事かなぁーと思うのです。

この,被告人には,正面からてんかんに向き合ってほしいと思います。罪を償ったら,障がいにあった仕事をして自立してほしいと思うのです。

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2011年5月 7日 (土)

知的障がい者にとって執行猶予を理解すること

先だって,とある執行猶予付き判決を受けた知的障がいのある人に執行猶予の説明をしました。

知的障がいの人にとって執行猶予の意味合いを理解してもらうことは,難しいことが多いなぁと思うことが多いです。

「執行猶予=受刑しないで済んだ=お咎めなし」と理解してしまいがちです。ですので,次も大丈夫だろうと再犯に及んだりしてしまうようです。

また,執行猶予になった犯罪以外の軽微な犯罪を犯してしまっても,執行猶予が取り消しになるかもということがわかっていなかったりもします。

さらに,今度,禁錮以上の刑の言い渡しがあって,執行猶予が取り消されれば2刑もって刑務所に行かなければならないということの理解が難しいのです。

刑法に関わっている人ならば当然わかっていることなのですが,これは,知的障がい者ではなくとも理解されていない方が多いようです。窃盗で執行猶予中の人がその期間内にまた窃盗をして実刑となったのですが,家族は前刑は執行猶予で無くなったと思っていて,2回目の事件のみの刑だけ努めればよいと思い込んでおられました。

執行猶予中に事件を起こして,その刑が禁錮か懲役刑ならば「『前の事件の刑+今回の事件の刑』の分だけ刑務所に行かなければならない。」ということを,知的障がい者にはよく理解してもらわねばなりません。長い刑期が待っているのです。

短いスパンの目標設定をして,説明を繰り返す必要があるでしょうね。

いずれにせよ,根気よく繰りかえし説明するしかないなぁーと思っています。説明を続けて理解できた頃には,執行猶予期間が終了するのかもしれません。

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2011年5月 5日 (木)

大震災と成年後見人

成年後見人の安否確認開始…被災地の家裁

 東日本大震災で大きな被害を受けた宮城、岩手、福島3県の家裁が、認知症の高齢者や知的・精神障害者に代わって財産管理や介護施設への入所手続きを行う「成年後見人」の安否確認に乗り出した。後見人が死亡したり連絡が取れないような場合は、高齢者や障害者らが孤立してしまうおそれがあり、新たな後見人を選任するなどして対処するという。

 成年後見人は、施設や病院への入所・入院手続きを取り、本人の通帳を管理していることも多い。このため、後見人がいないと被災した本人が迅速に施設や病院に入れなかったり、被災者向けの公的給付を受けることができなくなるケースも予想される。

 家裁は通常、親族らの申し立てを受けて近親者や弁護士らから後見人を選任し、定期的に後見状況の報告を求めている。最高裁家庭局によると、3県で後見を受けている高齢者や障害者は昨年12月時点で▽宮城1605人▽岩手943人▽福島1267人。

 3県の家裁は、後見人自身や後見を受けている本人、親族などに電話などで安否確認を進めている。連絡が取れないケースでは、死亡者や避難者リストの確認も行う。無事が確認されても、本人と離れて避難しているような場合は、別の後見人を追加選任する。認知症や障害の程度がより軽い人を保護する「保佐人」や「補助人」についても安否確認を進めるという。

 最高裁家庭局の担当者は「各家裁とも緊急案件と認識して調査を始めた。被災地で後見を受けられなくなっている人がいたら、裁判所に連絡してほしい」と話している。【伊藤一郎】(毎日新聞)

被後見人も後見人も被災している事態の存在は,私も気が付きませんでしたが,確かにそうですね。後見人が保管し管理していた被後見人の預金通帳などが津波で流されてしまったりしている可能性もありすし,後見人が死亡したことで,それらの所在を家庭裁判所と一緒になって探さなければならないケースもあるでしょうね。

ご本人がその財産の存在を理解していない場合もあるでしょうね。様々な差し障りが考えられます。

確かに後見人の私が今被災して身動きが取れない状況になると,後見事務は停止してしまい,被後見人には迷惑がかかるでしょうね。

おそらくこういったことは想定外だったでしょうが,弁護士会,司法書士会,社会福祉士会などが連携して,一時的に後見事務を代行したり,後見業務が継続できない場合の次の候補者を探すといった業務をおこなう,後見支援のシステムが必要になるのかなぁと思っています。

もっとも,こういった団体は中立性を担保しないといけませんね。一部の人や団体に寄った組織などには,任せられませんね。

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2011年5月 1日 (日)

大阪都島の3名殺傷事件について

大阪市都島区のアパートで住民3人が刺され、元夫婦が死亡し、男性が重傷を負った事件で、大阪府警は30日、殺人と殺人未遂の疑いで、元夫婦の知人で、容疑者(59)を逮捕した。府警によると「三角関係のもつれで1、2年前から元夫婦に脅されていたので包丁で殺した」と認めている。

 逮捕容疑は27日午前2時35分頃、都島区のアパートで、住民のOさん(44)とSさん(39)の首を刃物で刺し、失血死させた。

 さらに、騒ぎを聞きつけて部屋から出た住民のKさん(68)の首を切りつけ、全治2週間の重傷を負わせたとしている。

 容疑者は、OさんやSさんと十数年前に知り合ったといい、3人は聴覚に障害があった。

 容疑者の供述によると、事件当日、自宅を訪ねてきたOさんと一緒に都島区のアパートへ行くことになり、「いつものように脅される」と考え、最初から殺すつもりで包丁を隠し持って自宅を出た。2人を殺害するつもりだったが、Kさんが出てきたので刺したという。

 容疑者はアパート西側の非常階段から逃走したとみられ、府警は、容疑者の供述どおり、逃走経路の都島区内の路上で、凶器の包丁1本を押収した。(産経新聞)

原田の勝手なプロファイリングがあたってしまいました。私はこの事件についてブログには書きませんでした。それは,この事件が報道され殺害された男女が聴覚障がい者と知った時,犯人はよく知った知人で,おそらく聴覚障がい者と思ったからです。ちなみに,聴覚障がいのある人が犯罪をおこしやすい,などとは一切思っていませんので念のため。

なぜ,そうプロファイリングしてしまったかといいますと,まず,聴覚障がいのある人は,玄関を開けて誰かが入ってきても聞こえないこともあって,カギは掛けているはずなんです。そして,「宅急便でーす」といわれても聞こえないわけですから,姿などを見て判断されていると思います。

ちなみに呼び鈴がパトライトと連動していたりするようですが,最近は音を感じて電気刺激で知らせるようなものもあるようですね。子育てに使うようですが...聴導犬とも少しづつ普及してきているようです。

つまりは,犯人が知り合いだからドアを開けたと思うのです。では,なぜ,犯人の聴覚障がい者だと思ったか。それは,コミュニケーションの問題,つまり手話です。

聴覚に障がいがある人とのコミュニケーションをとるには手話が一般的ですよね。最近は携帯メールという手もありますが,ノンバーバルなコミュニケーションを図るには,会話するためのツールである手話が重要です。しかし,聴覚に障がいのない人で手話が使える人はごく少数です。したがって,聴覚障がいのある被害者2名の知人は手話で会話ができる人,おそらくは聴覚障がい者ということだろうと思ったわけです。

どうも被疑者の自供から,連れ出されて一緒にアパートに行ったのは被疑者の方だったようですが,聴覚障がいのある人という点では,当たっていました。

この被疑者が起訴された場合,初めて被告人が聴覚障がい者である裁判員裁判になるのではないでしょうか?公平な審理のためにも,手話通訳をはじめコミュニケーション手段に最大限の配慮をしてもらいたいと思います。また,取り調べにおいても同じことが言えますね。それこそ可視化するべきでは,と思うのですが...ちなみに,この犯罪自体は結果が重大であり,赦せるようなものではないと思っていることを付記しておきます。

聴覚障がいのある方からのコメントがあれば,是非お願いします。

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公益って?「大震災で考えた公益法人のありかた」

大震災の被災地では,まさに公の益になることが求められています。それは,被災という社会的なハンディキャップに対しての支援です。

さて,公の益たる務めを担うのが公益法人です。福祉に特化した公益法人は社会福祉法人です。広く公の益を担うがために法人税がありません。

つまりは,社会福祉法人は中立公平を求められているのです。憲法では,第89条に

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

とされています。従って,公の支配なくしての社会事業団体はありえないことになり,公の支配に属する公益法人として,厚生労働省所管の社会福祉法人があるのです。

公益ですから,差別することなく,また,利潤を追求することなく支援を展開することが要求されています。

かつて福祉は,行政処分である措置制度が基本でした。措置権者たる行政の責任で,福祉の支援が行われていたわけです。ただ,措置が絶対いいとは思いません。確かに,事業者の経営は安定しますが,選択の余地が無く,事業者もともすれば,その収入の安定性に胡坐をかいてしまうといったような面もあったのかなぁとも思います。措置の頃はよかったなぁーというのは,実は私も思うところです。

障がい福祉も,契約制度に移行しましたが,支援費制度の頃は,まだまだ施設関係は月単位計算の支援費支給でしたから,選択することが可能になった点などは,変わりましたが,措置から180度変わったまでは行かなかったかなぁーとも思うのです。

そして,支援費制度から自立支援制度へ変わりました。私は,老人施設が介護保険制度に移行した時のような感覚を覚えました。この先を書くと長くなるので省略をしますが,この制度の私が思う一番いい点は選択の余地が広がるなど,自由契約のいい面がはっきりしたことです。一番悪い面は,社会福祉法人をサービス業化して経営重視,利潤追求に向けてしまったことです。ただ,すべての社会福祉法人がそうなったのではなく,経営は苦しいながらも,本人中心主義の展開を続けている法人が多いと私は思っています。

たとえば,制度上,A法人の就労移行支援事業所で判定実習を受けたXさんが,就労継続支援Bが望ましいとなり,A法人の就労継続支援Bではなく,就労移行支援事業は行っていないB法人の就労継続支援Bに行くことになったとします。

A法人がXさんがB法人の事業所に行くことは拒めません。当然です。確かに,経営という点ではA法人にとっては腹立たしい?盗られた!みたいな感覚ですか。わからないこともありません。しかし,これは,制度上のことですし,社会福祉法人の公益性からして当然のことなのです。いくら内輪の話でも,管理職レベルの人は思っていても,他の職員を前にまさか口にはできないですよね(笑)

相談支援的にも当然です。なにせ「本人中心主義」なのですから。「どこから給料をもらってんだ!」とも言われますが,利潤ではなく「公益」を追求するのが社会福祉法人ですから,公益のために働き,税金から給料が出ていると言えるのではないでしょうか?

クライエントのニーズに応えるという点では,営利法人も公益法人も同じです。今や福祉も両方が参入しているのです。しかし,営利法人利潤を追求しながらも。税を払って経営をしています。その代り,確かに差益は資産として自由に使えます。社会福祉法人は,福祉事業に関しての収益について,税は払いませんが差益で生じた資産の利用には一定の縛りがありますが使えないわけではありませんし,引当金や積立金という手段もあるわけです。確かに,法人をつぶすわけにはいきませんから経営は大事かと思います。ただ,税で優遇されているということは,その分,公益性を担保せよという意味合いの公の支配では?

公益法人たることというのは,そんなに難しいことなんでしょうか?

相談支援をしていると,困難ケースをにっこり笑って受け入れてくれる法人さんに出会います。さすがーと思うことがしばしばです。「そういう人のためにうちがあるんだよー」と言ってもらえた時の安堵感は書き表せません。

知り合ったあるNPO法人の理事さんの困難事例についての一言,「こういう人たちを何とかするのが公益法人たる社会福祉法人なのになぁー」

この話は,原田が前職を退いた理由と関係があるかも(笑)退いて1ヶ月が経ちました。もうすっかり南海福祉専門学校(南専)の原田和明です。

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