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2011年5月 1日 (日)

公益って?「大震災で考えた公益法人のありかた」

大震災の被災地では,まさに公の益になることが求められています。それは,被災という社会的なハンディキャップに対しての支援です。

さて,公の益たる務めを担うのが公益法人です。福祉に特化した公益法人は社会福祉法人です。広く公の益を担うがために法人税がありません。

つまりは,社会福祉法人は中立公平を求められているのです。憲法では,第89条に

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

とされています。従って,公の支配なくしての社会事業団体はありえないことになり,公の支配に属する公益法人として,厚生労働省所管の社会福祉法人があるのです。

公益ですから,差別することなく,また,利潤を追求することなく支援を展開することが要求されています。

かつて福祉は,行政処分である措置制度が基本でした。措置権者たる行政の責任で,福祉の支援が行われていたわけです。ただ,措置が絶対いいとは思いません。確かに,事業者の経営は安定しますが,選択の余地が無く,事業者もともすれば,その収入の安定性に胡坐をかいてしまうといったような面もあったのかなぁとも思います。措置の頃はよかったなぁーというのは,実は私も思うところです。

障がい福祉も,契約制度に移行しましたが,支援費制度の頃は,まだまだ施設関係は月単位計算の支援費支給でしたから,選択することが可能になった点などは,変わりましたが,措置から180度変わったまでは行かなかったかなぁーとも思うのです。

そして,支援費制度から自立支援制度へ変わりました。私は,老人施設が介護保険制度に移行した時のような感覚を覚えました。この先を書くと長くなるので省略をしますが,この制度の私が思う一番いい点は選択の余地が広がるなど,自由契約のいい面がはっきりしたことです。一番悪い面は,社会福祉法人をサービス業化して経営重視,利潤追求に向けてしまったことです。ただ,すべての社会福祉法人がそうなったのではなく,経営は苦しいながらも,本人中心主義の展開を続けている法人が多いと私は思っています。

たとえば,制度上,A法人の就労移行支援事業所で判定実習を受けたXさんが,就労継続支援Bが望ましいとなり,A法人の就労継続支援Bではなく,就労移行支援事業は行っていないB法人の就労継続支援Bに行くことになったとします。

A法人がXさんがB法人の事業所に行くことは拒めません。当然です。確かに,経営という点ではA法人にとっては腹立たしい?盗られた!みたいな感覚ですか。わからないこともありません。しかし,これは,制度上のことですし,社会福祉法人の公益性からして当然のことなのです。いくら内輪の話でも,管理職レベルの人は思っていても,他の職員を前にまさか口にはできないですよね(笑)

相談支援的にも当然です。なにせ「本人中心主義」なのですから。「どこから給料をもらってんだ!」とも言われますが,利潤ではなく「公益」を追求するのが社会福祉法人ですから,公益のために働き,税金から給料が出ていると言えるのではないでしょうか?

クライエントのニーズに応えるという点では,営利法人も公益法人も同じです。今や福祉も両方が参入しているのです。しかし,営利法人利潤を追求しながらも。税を払って経営をしています。その代り,確かに差益は資産として自由に使えます。社会福祉法人は,福祉事業に関しての収益について,税は払いませんが差益で生じた資産の利用には一定の縛りがありますが使えないわけではありませんし,引当金や積立金という手段もあるわけです。確かに,法人をつぶすわけにはいきませんから経営は大事かと思います。ただ,税で優遇されているということは,その分,公益性を担保せよという意味合いの公の支配では?

公益法人たることというのは,そんなに難しいことなんでしょうか?

相談支援をしていると,困難ケースをにっこり笑って受け入れてくれる法人さんに出会います。さすがーと思うことがしばしばです。「そういう人のためにうちがあるんだよー」と言ってもらえた時の安堵感は書き表せません。

知り合ったあるNPO法人の理事さんの困難事例についての一言,「こういう人たちを何とかするのが公益法人たる社会福祉法人なのになぁー」

この話は,原田が前職を退いた理由と関係があるかも(笑)退いて1ヶ月が経ちました。もうすっかり南海福祉専門学校(南専)の原田和明です。

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