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2011年8月11日 (木)

障害者基本法改正~司法手続における配慮等~

障害者基本法の改正で新設された第27条の「司法手続における配慮等」は下記の通りです。

第27条「司法手続きにおける配慮等」

 国又は地方公共団体は,障害者が,刑事事件若しくは少年の保護事件に関する手続そのほかこれに準ずる手続の対象となった場合又は裁判所における民事事件,家事事件若しくは行政事件に関する手続の当事者その他の関係人となった場合において,障害者がその権利を円滑に行使できるようにするため,個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するとともに,関係職員に対する研修その他必要な施策を講じなければならない。

ようやっと法律でこういうことが日本においても明記されたのですね。

「個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するとともに,関係職員に対する研修その他必要な施策を講じなければならない。」の部分には,可視化や調書の確認などへの配慮も入っていると思量できますね。研修というのは警察官や法曹に対する研修も当然入ってくるのでしょうね。

ただ,ひとつ重大なことが抜けているような気がします。それは,司法手続の中,特に成人の司法手続きの中で障害者を見つける手段は担保されていないということです。

障害があるか否かどうかを被疑者段階で悉皆的に専門家が判断しなければ,警察官や検察官,あるいは弁護人の判断に頼るというのは,いささか問題があるのではないでしょうか?

現に,私が関わった人で,義務教育は特別支援学校に在籍し,なおかつ,非行で知的障がい発達障がいのある人たちを対象とした少年院で2回処遇されながら,大人になって前科が数犯あっても一度も知的障がいの指摘をされたことがないという人がいました。

結局,入り口で判断しないと,「調子がよくなんでもハイハイと供述する奴」が本当は知的障がい者で,障害による生活支障のために犯罪を繰り返し,シャバとムショを行ったり来たりしているということにもなりかねません。

私は,この規定ができた以上,被疑者段階での障がいの判断を悉皆的に行うことが絶対に必要だと思うのです。警察官や検察官,あるいは弁護人に障がいに気づいてもらった人は正しく扱われ,気が付かれなかった人はそうでないというのは,法の下の平等に反することだと思います。

これからの成り行き,法相がどうしていくのかを見守りたいと思います。

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