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2011年12月 9日 (金)

家族5人殺傷事件判決~自閉性障害と知的障がい~

 愛知県で家族5人を殺傷したとして殺人罪などに問われた被告(31)の裁判員裁判で、名古屋地裁岡崎支部は7日、懲役30年(求刑・無期懲役)を言い渡した。久保豊裁判長は殺意と責任能力を認定し「凶暴で残虐な犯行で結果は重大だが、幼い頃から自閉症障害を抱えていたのに支援を受けられなかった。無期懲役刑はいささか重い」などと判決理由を述べた。

 約15年間ひきこもり生活を送り、知的障害と自閉症のある被告の殺意と責任能力の有無が争点となった。判決は▽被告は普段から凶器の包丁を調理に使い危険性を理解していた▽被害者の顔や首を多数回強く刺した▽事件時に混乱した様子がなかった--とし、殺意を認定した。

 また事件時に▽弟の妻が「私は関係ない」と言ったのに対し「関係ある」と答えた▽弟の妻の逃走を阻止しようとした--などから「状況に対応した行動をとっていた」と指摘。幻聴や幻覚を伴う精神障害ではないことも合わせ、責任能力があったとした。

 一方で「家族を含めた誰からも自閉症障害に気付いてもらえず、支援を受けることができなかった」などとして、有期刑上限の懲役30年とした。

 判決によると、岩瀬被告は家族にインターネットを解約されたことに怒り、豊川市の自宅で10年4月17日未明、眠っていた家族を包丁で刺し、父(当時58歳)とめい(同1歳)を殺害。母と、友美ちゃんの両親である弟夫妻に重傷を負わせ、自宅に放火した。

 弁護側は、被告に事件時の記憶がないことなどから「殺意はなかった」として傷害致死罪の適用を主張。「犯行時はパニックで心神耗弱状態だった」などと責任能力も限定的と主張していた。【山口知】(毎日新聞)

ひきこもりで自閉症というパターンだったようですね。2名殺害,3名傷害で死刑求刑もおかしくないですが,障がいがあるということで無期求刑だったのでしょうか?犯行時記憶がないということらしいですが,解離性障害をおこしていたんでしょうね。

私も強盗致傷のケースと強姦致傷のケースで全く犯行を覚えていないケースに対応したことがあります。どちらも発達障がいの人で,前者の鑑定医が「発達障がいの人は解離性障害になりやすい」と言っていたことが印象に残っています。

懲役30年がこの被告人にとってどれだけの意味を持つのでしょうか?勿論,兄に愛娘を奪われた弟夫婦の気持ちを考えると,30年でも短いのかもしれません。

しかし,被害者当事者であり,また,加害者家族であるこのご一家にフォローが必要な気がしてなりません。

まだ確定していませんが,控訴しても長期刑が見込まれます。受刑者となった被告人自身へのフォローを誰がしていくのかも重要かと思います。

日本では長期引きこもりである自閉性障害(広汎性発達障害)の責任能力への影響は,知的障がいを重複していても心神耗弱程度ということをソーシャルワーカーとして改めて肝に銘じておかないといけないと思いました。

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