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2011年12月20日 (火)

てんかんのある運転手,児童6人死亡事故判決

4月、クレーン車で小学生6人をはねて死亡させたとして自動車運転過失致死罪に問われた被告(26)に対し、地裁は19日、求刑通り、同罪の法定刑上限である懲役7年を言い渡した。佐藤正信裁判長は、被告のてんかん発作が事故原因と認定し「発作の予兆がありながら運転した過失は特に悪質で重大」と指摘した。弁護側は控訴しない方針。

 判決は、てんかんの持病を隠して免許を取り就職▽3年前にも発作に伴い重傷事故を起こし執行猶予中だった--などを挙げ「身勝手で自己中心的」と非難。佐藤裁判長は最後に「持病が事故原因ではない。持病に真摯(しんし)に向き合わず運転の危険性を軽視したのが原因だ。心からの償いを」と説諭した。

 また判決は「患者一般に与える影響が懸念される」と言及、てんかん患者の運転に対する偏見を戒めた。

 検察側は「発作を起こしやすいことを認識していた。悪質性は自動車運転過失致死罪では評価し尽くせない」と主張。弁護側は起訴内容を認めた上で「無申告で免許を取った背景には、患者に対する社会の無理解への不安があった。深く反省し、今後自動車を運転しないと決意している」として刑を軽くするよう訴えていた。宇都宮地検はより法定刑の重い危険運転致死罪での起訴も検討したが、無謀な運転の「故意」が立証困難と判断し見送った。【松本晃、岩壁峻】

 求刑通りとした宇都宮地裁判決は、現行法の枠内では最も重い。医師の指示に背き大型車を運転し、服薬も怠った柴田被告の悪質さを重視したと言える。だからといって判決を基に、てんかん患者の運転を一律に危険視するのは早計に過ぎる。規制強化のみでは再発防止につながらない。

 てんかん患者の交通事故は▽広島県福山市で5月、児童4人重軽傷▽鹿児島県姶良市で10月、多重事故--など柴田被告の事故後も相次いだ。共通するのは、医師の指導を守っていなかった点だ。

 多くの患者は適切な服薬で発作を抑え事故なくハンドルを握る。てんかん専門医の今高城治・独協医科大講師によると、事故率は一般人より高くないのに「検証もせずに問題視していた」ため、条件付きで免許取得が認められたのは02年。米英より約半世紀遅れた。

 法整備の遅れ・未熟さが「てんかん=運転は危険」との偏見を助長し、免許拒否や就職差別を恐れる患者は持病を隠す--。この悪循環が現状だ。

 規制強化策として、適性を欠く患者を医師が通報する制度はあり得るが、患者の潜在化を招くと危惧する医師もいる。

 悪循環の責任は患者にだけあるのでない。病状を正しく知り偏見を捨て差別をしない。「申告しても患者が不利益を被らない社会」(日本てんかん協会栃木県支部の鈴木勇二事務局長)を作ることが遠回りでも再発を防ぐのではないか。

 一方で、未来ある児童6人の命を奪った事故の刑として妥当なのか、遺族が投げかける疑問も重い。01年創設の危険運転致死罪の見直しなど、現行法を点検する必要を示した判決でもある。【岩壁峻】(毎日新聞)

被告人は控訴しない方針だそうです。確か自動車運転過失傷害で執行猶予中で,執行猶予はまだ切れていなければ2刑持っていくことになりますね。この解説でも指摘しているように,てんかん=運転できないではなく,医師の指示を守ることが重要です。この被告人も医師から禁じられていたにもかかわらず,運転をしたということが問題です。ただ,正しく服薬できていればこの事故は起きなかったのかも。

しかし,てんかんがあるということで,就職等の差別が存在していることもまた事実です。そのため,隠して運転免許を取るというということもあってはならないのですが,あるのですね。この被告人もてんかんがあることで今まで辛い思いをしていたのかもしれません。障がいのない人と同じようなしごとをしたいという思いが,適法ではない運転免許の取得につながったんでしょうね。

6人の子どもの命が奪われたことは重大です。だからといっててんかんのある人がいわれなき偏見を持たれることがあってはなりません。

池田小学校事件の際,容疑者が統合失調症の既往歴があることがクローズアップされ,後に統合失調症は詐病で,パーソナリティー障害だったと判明しても,医療観察法が成立してしまいました。

保安処分はともすれば人権侵害につながりかねません。てんかんについての啓発が必要なのかとも思います。

亡くなった6人の子どもさんの命を無駄にしないため,そしててんかんのある人への偏見や差別を助長しないためにも大きな課題かと思います。

そしてこの被告人は,てんかんという障がいにあわせて,6人の児童の命を奪ったという一生消すことのできない罪を背負ったことになります。まだ若いので罪を償った後,しっかり更生してほしいと思います。

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コメント

偏見差別は多くの人が思うようなものだけではなくて患者が経験していく中で萎縮して人に抱くようになる何か顔を伺うような心でもあると思います。生きるうちにストレスが患者を萎縮させるそれがまた人に抱く恐れの種になり雪だるま式の悪循環を生む。話が跳びますがクリニックのページに子離れ云々と有りました子供は何度も同じ間違いをするものでそこで親はふさわしい道を教えていきます。やはり子供にとってはわかりにくいもので何度も時にはスーパーでおおっぴらに親を試す怖さ知らずをします。そんな時にさえキッパリと親がしつけないとすれば子供には将来も物の善し悪しは身に付かずしかもジレンマで苦しみ続けるかもしれません裁判で厳しくキッパリと教えなければ一層辛くなるでしょう 跳べないハードルは自分で下げかつひとのハードルを見て惨めにぶれたりしないこんな強さが欲しい。患者には生きづらく人間関係は全ててんかん患者に非があると一笑する社会に私達は生きていると思います

投稿: 羊と山羊 | 2012年2月10日 (金) 15時05分

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