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2011年12月 6日 (火)

厳罰化についてソーシャルワーカーとして思うこと

女性9人に乱暴したなどとして9件の強姦致傷罪などに問われた静岡県、無職、O被告(35)の裁判員裁判で、静岡地裁沼津支部(片山隆夫裁判長)は5日、平成13~20年の5件について懲役24年、21~22年の4件について懲役26年、合計で50年の判決を言い渡した。

求刑はいずれも有期刑最長の懲役30年で、合計懲役60年(MSNから)

無期懲役の仮釈放執行状況を見ると最長で60年で仮釈放不許可になっていました。受刑50年以上の人はたくさんいます。法務省発表の文書を貼っておきます。

「mukikarisyakugenzyou.pdf」をダウンロード

この50年の有期刑判決をみると,いかに刑罰が長期化しているか痛感させられます。

懲役刑は,「役」すなわち労働を課すということです。無期懲役の場合,無期限に拘束して労働を課す刑ということになりましょう。社会でも確かに死ぬまで働く方はおられると思います。しかし,一定の年齢になるとリタイアされる方がほとんどでしょう。

無期懲役ということであれば,仮釈放にならなければ,刑執行の停止やガン末期等労働が不可能な状態での病舎や医療刑務所での処遇にならない限りは,免業日以外は工場に出役しないといけないわけです。

車いすに乗った無期懲役の老受刑者の出役を,刑務作業として無期懲役の別の受刑者が介助するということがL級の刑務所ではおこなわれているわけです。

また,仮釈放ということは身元引受人が必要なのですが,高齢,要介護状態となると保護会で受けることも難しい場合もあり,柄受けいない→仮釈放できない→刑執行停止か獄死まで刑務所ということになっているのでしょうね。

その反面,確かに犯した罪が重く,遺族の処罰感情も峻烈であるので無期懲役になっているわけで,遺族にすれば死刑を望むところでしょう。その代りに死ぬまで刑務所に入れておいてほしいという感情もよく理解できます。

しかし,すでに刑務所の中でも支援がなければ生活ができない受刑者を,そのまま懲役囚として処遇することは,懲役以上の苦痛を課しているとも考えられます。

現行法上,柄受けがなくて仮釈放がむずかしい場合は,高齢者施設等の責任者で柄を受けるということが必要となってきましょう。また,高齢者施設等で受け入れが困難な場合で引き続き身柄拘束を継続する場合でも,高齢者専用の刑務所や区をつくって処遇するなどしないと「残酷な刑罰」になってしまいそうな気がします。

長期受刑高齢者専用の刑務所には,短期刑の人も含めた介護のための経理夫を配役して,介護職員基礎研修を受講させるなどして出所後の介護職員を養成するのも手かとも思いました。勿論,厚生労働省にそういう刑務所を実習先として認めてもらわないといけませんが...最近は,経理夫の適任者が減っているという話も聞きますので,介護福祉士の資格のある刑務官を増やさないといけないかも。

今回のこの裁判のような長期有期刑判決が出てしまうと,無期懲役の仮釈放がきびしくなりましょうね。刑期が長いと,社会復帰にも時間がかかりそうです。

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