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2012年3月 7日 (水)

刑務所での性同一性障害のある人への処遇上の配慮→日本とドイツ

 性同一性障害で心は女性なのに、男として刑務所に収容された受刑者が不満を訴えるケースが相次ぎ、法務省は3日までに、刑事施設の処遇方針をあらため、全国の刑務所などで障害に配慮した対応を始めた。収容者の要望に応じて服装や髪形、入浴に配慮し処遇の改善を進める。

 刑務所で個別の要望に応じることは受刑者間の不満や差別につながるとして、これまで一律での運用を徹底してきたが、法務省は「障害を無視した運用は人権侵害との批判がある上、障害が社会的に知られるようになり、配慮が必要と判断した」として新たな指針を導入した。

 新指針は、性同一性障害の収容者に対して(1)診療と居室(2)入浴や身体検査時の対応(3)衣類・髪形など―について配慮するよう規定。

 収容先の刑務所は、従来通り戸籍上の性別に従うが、居室は希望によって単独室とし、個別での入浴も許可。戸籍上は男性でも長髪や女性用下着、シャンプーなどの所持を新たに認めた。

 刑務所内では性別適合手術やホルモン治療はできないが、精神科医の診察や臨床心理士によるカウンセリングを積極的に導入。刑務官の理解を向上させる教育も行う。

 法務省によると、全国の刑務所などの矯正施設で、医師によって性同一性障害と診断された受刑者は2011年末時点で男女8人。診断はされていないが性同一性障害とみられ、刑務所が配慮の対象としている受刑者は約30人に上る。

 刑務所や警察の留置場での処遇をめぐっては、性同一性障害の男性が女性として扱うよう求めて裁判や人権救済を申し立てるケースがここ数年増加。各地の弁護士会が「個性や人格を否定する人権侵害」として法務省と刑務所に改善を勧告してきた。(中國新聞)

もともとニューハーフの人は違う処遇をしているはずかと思います。このあたりは本間龍さんも著書で書いておられます。

しかし,性同一性障害という診断がはっきりしている場合で,男子と同じような扱いをするのは確かに問題があるといえましょう。

性同一性障害は 英語では gender identity disorderです。障害(がい)と日本語で翻訳される英単語はいろいろありますが,disorder はどちらかというと医学上の支障かとおもいます。しかし,性同一性障害は生活することに障がいがあるのですから,handicapかと思います。

性同一性障害のある人を同性の中で処遇するのは人権上差し障りがあるのはそうですが,その人の刑務所生活そのものに差し障りがあるとも思います。男性の刑務官に入浴や検身時に裸体を見られるなんて相当な苦痛があるのでしょうね。これって分類時に判明させていないと,入所の際いきなり裸を見られますし,当然拘置所でも性同一性障害に配慮した処遇がされないといけませんね。もっと突っ込むと留置所も?

一口に処遇に配慮と言いますが,きっと現場は大変だと思います。それなりに労力もいるでしょうし,単独室の確保なんかも必要でしょうから。

ただ,日本の刑務所も少しずつですが変わりつつあるんだなぁーと思いました。刑務所のみならず拘置所や少年院でも当然配慮した処遇が必要なのでしょうね。

少し違いますが,ドイツは国民の約5%が同性愛者で,ベルリン市長や緑の党の有名な国会議員,現在の外相が同性愛者です。同性愛者同士の結婚も法的に認められていて,外相も同性者と結婚していました。

ドイツ刑法には、かつて同性愛を禁止する条項があり,男性同士で性交した者は、懲役刑に処せられ,公民権を剥奪されると規定されていました。この刑法はナチス時代にさらに重罰化して,同性愛者の噂や雰囲気があるというだけでも検挙され,推定10万人もの人が同性愛者が収容所や刑務所に送り込まれたといいます。

しかし今や同性愛者の権利が確立しているドイツ。そのドイツの矯正施設って,当然同性愛者や性同一性障害者には配慮した処遇がされているのでしょうね。調べてみたい気がしています。

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