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2012年4月 4日 (水)

解離性障害と触法行為

触法障がい者の支援をしていると「解離性障害」という疾病名に出合います。

解離性障害とはICD-10によると「過去の記憶、同一性と直接的感覚、および身体運動のコントロールの間の正常な統合が部分的、あるいは完全に失われていること」とされています。解離性障害には,解離性健忘(俗にいう記憶喪失),解離性遁走,以前このブログにも対応したケースとして書いた解離性同一性障害(俗にいう多重人格)などがあります。

あくまでも私見ですが,解離性障害が疑われる触法行為をした人に共通するのは,強いストレス等の精神的な外傷にあっていて,通常の判断ならば絶対しない犯行で,計画的な確信犯であるが,犯行直後は犯行内容をよく覚えているにもかかわらず,時間が経過するとほとんどそのことを忘れてしまうということです。

たとえば,お金は持っていて,摂食障害や窃盗癖などがなく,知的障がい等の判断能力の障害もないのに執行猶予中にもかかわらず万引きの再犯をする。といったようなことですね。

犯行中は夢の中にいるような感じ,ボーっとしていたなどという方が多いです。

往々にしてそういった場合は,精神的外傷を受けている状況がエピソードとしてあります。

警察幹部やキャリア公務員等の社会的地位のある人が,万引きなどで時々検挙されていますが,私はストレスからの解離性障害に起因する犯行もあるのだろうと思っています。

また,発達障がい等があってもともとコミュニケーション障がいからストレスが起きやすかったり,ストレス体制が弱かったりすると余計に解離しやすいというお話をドクターから聞いたことがあります。

ただ,この解離性障害ですが別のドクターから聞いた話ではあまり「解離性障害」が独り歩きすると,解離性障害でもないのに解離性障害であったかのように主張する場合もから慎重にとのこと。確かにそれも言えています。

あるケースは発達障がいがベースにあって,強いストレスを受けて解離性障害だったのですが,人を傷つけるような犯罪をしてしまったので被害者にとっては,「解離性障害の影響による犯行で今は覚えていない」と言われても納得がいかないのも無理がないのは理解できました。

ただ,解離性障害の状態で触法行為をした人の場合,その解離を引き起こした要因を取り除かなければなりません。つまり精神的な外傷を負わないようしなければならないのです。

「育児ノイローゼの母親がで赤ちゃんの首に手をかけようとしてはっと我に返った。」この場合,育児ノイローゼを軽減するか解決すればこの母親を殺人者にしなくて済むということですね。

そのストレス要因が介護や育児,経済的な問題,DVなどであれば福祉的支援で対応することで解離することを防ぎ,すなわち犯罪を防ぐこともできるのではないでしょうか。犯罪予防に福祉が寄与できる部分の一つかと思います。

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