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2012年8月 2日 (木)

大阪の保安処分的判決~京都新聞社説からと判決要旨リンク

会に受け皿がないことは障害者の罪ではない。障害を理由に刑務所に閉じ込めることは法治国家として許されない。
 殺人罪に問われた被告に対し、大阪地裁がアスペルガー症候群だと認定し、懲役16年の求刑を上回る懲役20年を言い渡した。判決は「社会にこの障害に対応できる受け皿が用意されていない」とし、「再犯の恐れがあり、刑務所収容が社会秩序維持に資する」と述べた。
 発達障害への偏見を助長する言葉であり、看過できない。
 障害者団体や医師から判決に対し、「障害への理解がない」「障害を理由に社会復帰させないのは差別だ」との厳しい批判が出ている。当然だろう。
 障害者への支援は国と社会の責務だ。にもかかわらず障害と再犯の恐れを結びつけて刑務所に長期収容し、社会から隔離する発想は受け入れられない。
 広汎性発達障害の一つであるアスペルガー症候群の人たちは、一方的に話すなど相手との「空気」や「間」を読むのが苦手だという特性がある。周囲の対応の仕方で日常的なコミュニケーションは取れるが、刑事裁判の被告になった場合に、審理期間が短い裁判員裁判の中で、自分の内面をうまく説明できなかったり、誤解を受ける恐れがかねて指摘されてきた。
 裁判官が障害の特性や障害自体が罪にあたらないことを裁判員に丁寧に説明できていたのか。犯罪の直接原因ではないものの発達障害との関連が指摘された刑事裁判では、障害を量刑の軽減にどの程度反映するかが争点だった例が多い。障害を理由に求刑を超えた厳罰を科すのは異例だ。
 判決は「受け皿はない」と断じたが、更生保護施設や発達障害支援センターなどは悩みつつ、連携して触法障害者の支援に努力している。刑務所を出た触法障害者を福祉につなごうと、厚生労働省は地域生活定着支援センターを全国に開設し支援を始めている。そんな動きに水を差す判決だ。
 被告は40代で長く引きこもり生活だったという。2005年に発達障害者支援法が施行され、京都府発達障害者支援センター「はばたき」(京田辺市)や民間団体、教育機関が相談や早期の気づきを支援しているが、成人へのサポートは学童期に比べて遅れている。
 医療や福祉、就労など発達障害がある人の社会参加を支える裾野を広げたい。障害への理解が進まない中で市民が裁判員として参加する以上、裁判所は分かりやすい訴訟指揮をすべきだった。裁判所にも発達障害者が公平な裁判を受けられるよう努力が望まれる。

[京都新聞 2012年08月02日掲載]

当然多くの人からこの声は上がるはずです.障害者総合支援法では平成26年4月施行で地域定着事業について,今までの障害者の入所施設や精神病院に加え矯正施設からの退所者も含める予定になっています.
判決で「受け皿がない」としていますが,これは証言か上申書で立証したのかなぁーとも思います.責任能力については,完全ではないかもしれませんがあると私も思いますし,障がいが犯罪をするものではないので,アスペルガー障がいのせいにすることはいけないと思いますから,引きこもりや,障がい認知がされていなかったことが酌量されるべきではと思っています.

全国「精神病」者集団さんHPの下のリンクから判決要旨がDLできますので,皆さんも考えていただければと思います.

http://www.jngmdp.org/wp-content/uploads/20120730.pdf

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