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2012年12月

2012年12月24日 (月)

ある女性の触法ケースから~児童福祉法第28条~

ある女性の被告人の支援をする中で,彼女の生活歴上の大きな出来事として児童福祉法第28条により実子が児童施設に措置されたというのがあった.

児童福祉法第28条は次の通りです.

第28条 保護者が,その児童を虐待し,著しくその監護を怠り,その他保護者に監護させることが著しく当該児童の福祉を害する場合において,第27条第1項第3号の措置を採ることが児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反するときは,都道府県は,次の各号の措置を採ることができる.

1 保護者が親権を行う者又は未成年後見人であるときは,家庭裁判所の承認を得て,第27条第1項第3号の措置を採ること.
2 保護者が親権を行う者又は未成年後見人でないときは,その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すこと.ただしその児童の親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すことが児童の福祉のため不適当であると認めるときは,家庭裁判所の承認を得て,第27条第1項第3号の措置を採ること.

第27条第1項第3号とは

児童を小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親に委託し,又は乳児院,児童養護施設,障害児入所施設,情緒障害児短期治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること.

要は措置ですね.

28条事件にするということは,家裁の審判を申し立てるというものの強権的な手段を事実上児童相談所が行うということになりますから,親権というものに行政が深く関与することになります.もちろん,虐待されている子どもの生命や養育にかかわることは守らねばなりませんが,親権者の権利侵害にならないということも重要です.そういう意味では運用上慎重になるべきものでしょう.

彼女の場合,客観的にみて28条事件となったのは十分納得いくのですが,肝心の彼女が納得いっていません.もっとも,彼女が施設措置に了承していたら28条にはならなかったわけです.保護者が納得できないまま28条は適用されてしまうので,そういった点ではアフターフォローを図る必要性があると感じました.

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2012年12月23日 (日)

大津のいじめ事件~書類送検と児相送致~

大津のいじめ事件の加害者とされる少年が2名は書類送検,1名は児童相談所送致された.

常々講演などでも,この事件は犯行時14歳だったのか13歳だったのかで処分が変わってくると話してきた.結果その通りになったようだ.

14歳以上で犯罪をした少年は,犯罪少年といわれ検挙→送検→家裁送致という流れをたどるのが一般的だ.14歳以上は刑事罰の対象になりえる年齢なので,事件が大きくなれば逆送で刑事裁判になる場合もある.直近では亀岡の集団登校交通事故が逆相事件である.

しかし,14歳未満の場合は触法少年といわれ発見→児童相談所通告・送致→児相の判断で家裁送致という流れとなって原則児童福祉の措置となる.家裁に送致されて審判が開かれればその多くは保護処分ということになる.

犯罪少年の場合,家裁に送致されて少年審判が開かれれば多くの場合が保護処分となる.保護観察だけではなく少年院送致も保護処分である.

触法少年の場合,家裁送致がされ保護処分ということになると,現状12歳以上であれば少年院の選択が可能である.しかし,触法行為で家裁送致された場合でも,触法少年の施設での保護処分は児童自立支援施設や児童養護施設での処分が選択されているのが現実である.もちろん,家裁送致ではなく児童福祉法上の措置として児相が児童自立支援施設や児童養護施設に措置することも多い.

報道ではここまでの部分までに触れることはないかと思うが,本件の場合数か月の年齢差で少年院という矯正施設と児童自立支援施設等の児童福祉施設に処分が分かれるといった可能性が大である.

殺人等の大きな事件ではない本件では,触法少年の少年院送致は考えられず世俗的な観点からすると犯罪少年の2名と触法少年の1名の処分の差がみられることになろう.本件のような暴行といった比較的軽微な非行事実であれば,主たる加害者が触法少年で従たる加害者が犯罪少年であっても処分の差がみられると思う.

刑事罰が科せることができるのが14歳以上というところでの触法少年と犯罪少年の違いなのだろうが,今回のような事件の場合であると,何となく違和感を感じてしまうのは私だけだろうか.

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2012年12月18日 (火)

介護殺人に思う

最近また介護殺人のニュースをよく見聞きするようになった.そのせいではないのだが,ソーシャルワーカーとして,また,司法福祉の研究者の端くれとしてこの問題にも,もっと目を向けなければと思っている.

介護殺人は,介護負担が引き金で起きることが多い.この介護負担は,身体的負担,心理的負担,経済的負担ということで起きる.

よく介護サービスをなぜ使わなかったのかとか,介護サービスに結びつけない行政の不作為といったことが言われるが,これだけ介護サービスというものが広まっている現在で知らないということではないだろう.

なぜ使わないのか.検証は不十分であるが一つは経済的負担の問題である.介護保険はサービスを使えば1割負担がある.応益負担なので使えば使うほど負担が増える.要介護度が高くなれば保険で使えるサービスの上限も高くなるが,それに乗じて負担額が増える.また,介護度が高くなることで報酬単価が高くなり,負担額が増えるサービスがある.

収入的には,介護する側がまだ年金受給年齢に達していなかったり,介護する側もされる側も老齢基礎年金のみであったりという状況もありうる.2人で月収13万円少しでは生活費がやっとで介護費用負担が払えないという場合もあるだろう.

年金だけでは最低生活費に達しない世帯の場合は生活保護を受給するということになろう.今の生活保護世帯の約4割が高齢者世帯で最も割合が高い.しかし,ボーダーラインで受給できない世帯がかなり多いのではないかとも思われる.老齢加算がなくなって高齢者世帯の最低生活費がさがったにもかかわらず未だその状況である.

所得の低いは介護サービスが使えず,場合によっては介護殺人や無理心中という悲劇的な選択が行われている.

介護殺人とはいえ立派な殺人,犯罪であるからその一義的な責任は犯罪をした人が負うのは当然である.しかし,所得の少ない人が必要な介護サービスを受けられず,介護者も含めて生活困難に陥っていくというのは社会福祉の構造上に何か問題があるような気がする.介護殺人を防ぐには,必要な人にサービスがきちんと提供されるシステムづくりが必要な気がする.

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2012年12月17日 (月)

年末になると獄中へのお手紙や年賀状で少し忙しくなります

私は元来の筆不精です.電話もあまり得意ではなく,何でもかんでもE-mailで済ませようとしてしまうたちなのです.

いつも苦労するのが受刑中の人への手紙です.10月の終わりに頂いた手紙の返事がなかなか書けなくて今日まで来てしまいました.
年賀状までには返事を書かないととと思いつつズルズルと来てしまいました.
やっと書くことができ,明日には投函できそうです.クリスマスまでに,執行猶予を満了した人からのお手紙のお返事やお世話になった先生へのお礼のお手紙も差し上げなければなりません.


ちょっと心配なのが,ここ数か月お手紙が途絶えている長期受刑者の方がいます.最後の手紙がとても後ろ向きな感じだったので気になっています.この機会に手紙を出してみようと思います.
苦悩の日々がしばらく続きます.

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2012年12月16日 (日)

大阪の募金詐欺事件に思う

先だって大阪で難病の子どもさんを支援すると騙り,募金活動を行ないその集まったお金を着服していたという詐欺罪でNPO代表他が検挙されていた.

募金した一人一人の額は少額なのかもしれないが,募金をした人の気持ちを欺いたことは重大な罪になると思う.人の善意はかけがえのないものだ.

私はかつて心臓移植が必要な子どもの移植費用を集めるための活動にその会のメンバーとして参加したことがある.その時聞いた話によると,街頭募金をしていると少し離れたところに知らない人が募金箱を持って立っていて,勘違いしてその箱に入れる人がいるようだ.よく,小銭をすべての募金箱に入れてくれる人がいるのだが,そういう場合,入れてしまうのだろう.

今回検挙された案件のように組織的なのは,あまりないのかもしれないが,小さな形では以前から行われていたのだと思う.

心臓移植の募金活動は時間との戦いでもある.できるだけ早く募金を集める.その間に病気は進行していく.渡航したからといってすぐにドナーが見つかるとは限らないし,ドナーが見つからなければ滞在期間も長くなり費用もかさんでいく.

だから,こういった活動をしているメンバーは必死なのだ.この事件によって,真剣にこういった活動をやっている人たちが,市民に疑われてしまうかもしれないという悲しいことになりかねないということになる.
小さな子どもが小さな手で募金をしてくれるときの瞳は忘れられない.募金したいという子どもに虚偽の募金を疑った親が「嘘かもしれないのでダメ」と言うようになれば,これもとても悲しいことだと思う.

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2012年12月13日 (木)

兵庫県尼崎市連続不審死死体遺棄事件主犯格のS被疑者自殺に思う

このことによって真実がわかりにくくなったことは事実だ,S被疑者が死亡してしまったので断言することはできないが,報道されていることから考えると異常な事件であることは間違いない.

北九州監禁殺人事件を思い起こさせる事件であるが,真相はどうなんだろうと思っていた矢先だった.自殺を口走っていたそうなので「特別要注意者」として監視していたそうである.

主犯格のS被疑者が死亡したことで真相がわかりにくくなるだろうし,ともすれば立件できなくなる事件も出てくるのかとも思うし,真相は闇の中へ消えていく可能性もある.

私はもっとも残念だったのは,この事件は,心理鑑定を絶対かけるべき事件と思っていたからだ.それはS被疑者を含む被疑者全員であり,どういう心理状態だったのかを解明する必要性があると思っていたのだ.もちろん,この事件に限らず異常な事件は特に心理鑑定を行う必要性があると思っている.どういう心理状態で事件が起きるのかは大切なことではないだろうか?

どうしても鑑定というと責任能力の有無になってしまうのだが,情状鑑定としての心理鑑定や社会学的鑑定は大切だと思っている.なにより心理鑑定をすることで,犯罪に至る心理的プロセスが解明され,今後の犯罪捜査や刑事裁判に活かされるのではないだろうかと思っている.それは,犯罪から社会を防衛することにもつながる.

日本ではプロファイリングということがあまりきかれないが,プロファイリングするだけのデータがないのではと思ったりもしている.

この事件,残った被疑者について是非心理鑑定してほしい.

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2012年12月12日 (水)

ブログのアクセスが10万を超えました

ブログのアクセスが10万を超えました.

正確には超えていましたという方が適切です.ここのところココログのアクセス解析にトラブルがありカウンターが止まっていたのです.

アクセスが10万件に達したのは,読者の皆さんのおかげにほかなりません.最近忙しくて更新が遅れていますが,襟を正して頑張ろうと思っていますので,今後ともよろしくお願いいたします.

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2012年12月 9日 (日)

12月5日,6日と国立のぞみの園「福祉のサービスを必要とする罪を犯した知的障害者等の地域生活支援を行う施設職員等研修会」(大阪)に出講しました

12月5日(水),12月6日(木)と国立のぞみの園主催「福祉のサービスを必要とする罪を犯した知的障害者等の地域生活支援を行なう施設職員等研修会」(大阪)に行っておりました.9月の前橋での研修の大阪バージョンです

会場は新大阪でしたので,群馬とは違って1時間ほどで行けます.1日目は午前に裁判関係の打ち合わせを済まし,直接大阪市内から会場へ向かいました.

講義の後は,懇親会です.おしゃれな居酒屋という感じのところで立食パーティーでした.その後,2次会があったことも知らずに帰宅しました.

1日目は個人的には矯正局の少年院の説明と水藤さんの話がよかったかな.特に水藤さんの話で翌日の自分の話の方向性を見つけた感じです.9月の前橋の時は水藤さんの話を聴けていないので,ちょっと話が水藤さんとダブったような気がします.
2日目は,出番30分くらい前までは控室で皆さんとお話.やれ窃盗だ,刑務所だと人に聞かれるとドン引きにさせてしまいそうな話でわきました.

自分の出番が終わるとホッとしました.昼食後他のお二人の講義を聞いて,その後は演習です.演習では私は見学者でした.
2日目終了後あいりん地区,新世界ツアーが催されるということでガイドの一人として参加.

あんまりこわくなくなった夜のあいりん地区を回って,新世界へぶらぶらした後,大よしで皆さんと飲んで帰りました.
新世界はすっかり観光地で,ずぼらやの提灯もすっかり埋没していて,労働者らしきひとはあまり歩いていません.昔の方がよかったなぁー

時間が遅かったため昔よく行っていたジャンジャン横丁(まち)のホルモンうどん屋丸徳 も閉まっていて残念.今なら途中下車で行けるのですがなかなか行けてません.

3日目の7日まで研修はあったのですが,私は教務のため行けませんでした.

この研修,希望者が多くて2回では収まりきらなかったので3月にまた大阪で開催されます.ちなみに新たな募集はしませんのであしからず.

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2012年12月 3日 (月)

アクセスがもうすぐ10万に到達します.

気が付くとカウンターが99000を過ぎていました.

もうすぐ,10万アクセスに到達します.2010年8月14日に開設して約2年と4か月ほどで10万アクセスに達しそうです.

一番大きいのはヤフートピックスに2011年3月17日の記事「今回の震災と宮城刑務所」のリンクが掲載されたからです.2万以上のアクセスが短期間でありました.

とはいえ,10万に達するのは,あれから1年半以上が過ぎて皆さん方がご覧になってくれているおかげだと感謝しています.

今月中,つまり年内には10万アクセスを超えるかと思います.

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