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2012年12月18日 (火)

介護殺人に思う

最近また介護殺人のニュースをよく見聞きするようになった.そのせいではないのだが,ソーシャルワーカーとして,また,司法福祉の研究者の端くれとしてこの問題にも,もっと目を向けなければと思っている.

介護殺人は,介護負担が引き金で起きることが多い.この介護負担は,身体的負担,心理的負担,経済的負担ということで起きる.

よく介護サービスをなぜ使わなかったのかとか,介護サービスに結びつけない行政の不作為といったことが言われるが,これだけ介護サービスというものが広まっている現在で知らないということではないだろう.

なぜ使わないのか.検証は不十分であるが一つは経済的負担の問題である.介護保険はサービスを使えば1割負担がある.応益負担なので使えば使うほど負担が増える.要介護度が高くなれば保険で使えるサービスの上限も高くなるが,それに乗じて負担額が増える.また,介護度が高くなることで報酬単価が高くなり,負担額が増えるサービスがある.

収入的には,介護する側がまだ年金受給年齢に達していなかったり,介護する側もされる側も老齢基礎年金のみであったりという状況もありうる.2人で月収13万円少しでは生活費がやっとで介護費用負担が払えないという場合もあるだろう.

年金だけでは最低生活費に達しない世帯の場合は生活保護を受給するということになろう.今の生活保護世帯の約4割が高齢者世帯で最も割合が高い.しかし,ボーダーラインで受給できない世帯がかなり多いのではないかとも思われる.老齢加算がなくなって高齢者世帯の最低生活費がさがったにもかかわらず未だその状況である.

所得の低いは介護サービスが使えず,場合によっては介護殺人や無理心中という悲劇的な選択が行われている.

介護殺人とはいえ立派な殺人,犯罪であるからその一義的な責任は犯罪をした人が負うのは当然である.しかし,所得の少ない人が必要な介護サービスを受けられず,介護者も含めて生活困難に陥っていくというのは社会福祉の構造上に何か問題があるような気がする.介護殺人を防ぐには,必要な人にサービスがきちんと提供されるシステムづくりが必要な気がする.

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