« 生活歴と犯罪 | トップページ | 障がい者福祉サービス事業所での虐待 »

2013年2月19日 (火)

刑事司法ソーシャルワークと計画相談

この4月から障がい福祉では計画相談の導入となる.今までとは違い,悉皆的なケースマネジメントを行うことになる.

介護保険では,介護支援専門員が実態的には居宅支援において悉皆的にケースマネジメントを行っている.しかし,計画相談では居住系サービスも計画に入ってくる.

計画相談はサービス利用に必須のものとなるため,障がい福祉サービスを受けるには区分認定調査と計画相談(ケースマネジメント)を受けなければならい.これから障がい福祉サービスを現在利用している人は全員計画相談を受けることになる.どの市町村も大変なことだ.実際,そういった声を行政さんからも耳にする.

刑事司法におけるソーシャルワークにおいても当然同様だ.つまりは刑事施設や少年院,鑑別所に入所中の障がい者が処分終了後障がい福祉サービスを利用するにあたっても計画相談の支援を受けることによって障がい福祉サービスの利用に至る.

こうなってくると被疑者・被告人段階から計画相談を入れていくケースが登場する.たとえば執行猶予の可能性が大きい障がい福祉サービスを利用していない被告人の場合,更生支援計画上にも被告人の居住する地域の計画支援事業所を支援者として据え,実際,更生支援計画書を参考に個別支援計画を立ててもらわなければならない.もちろんその前に認定調査も必要だ.

今までとは違って,プロセスが複雑になり時間がかかることになる.これが福祉サービスの利用が起訴猶予や不起訴の大きな要素になってしまう場合だと,取り調べの勾留期間中に一定完結する必要がある.ワーカーの負担は大きくなる.計画相談だけではカバーできないので一般相談も入らなければならなくなるだろう.

地域の相談支援が絶対的に触法障がい者支援に入っていかなければならない状況となってくる.これはいいことであるが,その負担度は高い.特に大きな都市ではケースも多くて対応が大変だと思う.

矯正施設入所者の場合もほぼ同様だ,時間は被疑者・被告人に比べるとあるのかもしれないが問題は施設の場所だ.たとえば,大阪矯正管区の場合,大阪居住の初入の人が滋賀刑に行っていたり,播州の人が奈良少刑に行っていたりと近畿管内でも散らばってしまっている.また,知的障がいや発達障がいのある少年の処遇は名古屋矯正管区である伊勢市の宮川医療少年院で行われていることが多いが,大阪方面からは面接に行くのも1日仕事だ.個別支援計画を書くのに1回の面接で済むわけもなく,この負担は大きい.もちろん交通費などの経済的負担も生じてくる.長期刑の人になるともっと遠方の刑務所に行っていたりするから対応がさらに難しくなる.

厚生労働省が法務省に働きかけて,せめても特別調整者が特別調整にかかった時点で,援護の実施者の自治体に近い施設に保護上移送するなどの対応が必要であると感じている.

もっとも矯正施設入所者で住登地がない人の多くは矯正施設所在地が援護の実施者になって計画相談もそこでかかる訳で,矯正施設所在地の相談支援事業所の負担は大変だろう.基幹相談支援事業の取り組みも重要になってくる.刑事司法対応の人材や部署を確保しなければならない自治体も出てくるのだろう.

そうなれば当然,地域生活定着支援センタとの連携システムにも変化が現れる.早く準備をしないと大変なことになると危惧している.

|

« 生活歴と犯罪 | トップページ | 障がい者福祉サービス事業所での虐待 »

司法福祉」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

更生保護」カテゴリの記事

法律」カテゴリの記事

福祉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/181558/56797045

この記事へのトラックバック一覧です: 刑事司法ソーシャルワークと計画相談:

« 生活歴と犯罪 | トップページ | 障がい者福祉サービス事業所での虐待 »