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2013年2月26日 (火)

少年法改正答申に思う

昨年9月6日に「少年法の見直し案について思うこと」を書きましたが,2月8日に少年法改正要綱の答申がありました.

以下産経MSNからです.

法制審議会は8日、罪を犯した少年に言い渡す有期刑の上限を現行の15年から20年に引き上げることなどを盛り込んだ少年法改正の要綱も答申した。

少年審判に国費で弁護士を付けることのできる「国選付添人制度」は、殺人など重大事件に限っていた対象範囲を「長期3年を超える懲役・禁錮にあたる罪」まで拡大。少年審判に検察官が立ち会う「検察官関与制度」の対象も拡大した。

原案からは変わっていません.簡単にまとめてしまうと刑事事件(逆送されて刑事裁判となった場合)の有期刑(不定期刑含む)を重罰化しました.また,少年審判で検察官が立ち会う事件の範囲を広げましたが,国選付添人すなわち弁護士が絶対的に国選として付添人として選任される事件を窃盗等の比較的罪の軽い事件にも適用するようになりました.

福祉関係の人にとって「弁護士って,必ず付くんじゃないの?」とびっくりされた方もおられるようですが,少年審判では往々にして付添人は保護者だったりします.経済的に困っておられる保護者でなくても「弁護士さんに付添人をお願いしなかったんですか?」と聞くと,キョトンとして「えっ,いいえ」という人もおられます.

さて,刑事事件についてもう少し細かく見ると

刑事事件では

少年法51条2項
犯行時18歳未満の者を無期刑をもって処断すべきとき,有期の懲役または禁錮を科す場合における刑(定期刑)については,
5年から15年の範囲内→答申)5年から20年の範囲内  で処断する.
仮釈放が可能な時期についても
「3年が経過したとき」→答申)「その刑の3分の1が経過したとき」(成人と同じ)

少年法第52条
少年に長期3年以上(30年以下)の刑で処断すべきときは,
短期5年,長期10年→答申)短期10年,長期15年  を上限とする不定期刑を言い渡す.

前にも書きましたが重罰化に当たっては,もっと55条移送(刑事裁判から少年審判への移送)を導入するべきです.
さらに,少年の刑事裁判においては,判決前調査として中立的に鑑別結果や家裁調査官の調査結果を含めて心理がされるべきであると思います.このままでは,逆送事件と少年審判事件とのギャップが広がりすぎてしまいます.

また少年の可塑性という点を考慮すると,刑事政策的にも少年や若年受刑者への処遇については今よりもさらに踏み込んで教育刑化する必要があると思いますし,女子の処遇ももっと考えられるべきかと思います.

少年審判においては,
「国選付添人制度」も「検察官関与制度」共に、重大事件に限っていた対象範囲を「長期3年を超える懲役・禁錮にあたる罪」まで拡大していますが,検察と付添人が対峙することで,少年審判が持っている修復的な司法の要素が損なわれなれてしまうのではないかという懸念がします.

国親思想に基づく少年法ですが,教育ではなく応報的な処罰に傾いていくことについてもっと論議が必要になってくるのではないかと思います.

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