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2013年7月

2013年7月25日 (木)

姉殺害求刑越事件,上告棄却に思う~福祉施策と刑事政策~

姉殺害で懲役14年確定へ 発達障害、一審は求刑超え

 最高裁第1小法廷は24日までに、姉を殺したとして殺人罪に問われたO被告(43)の上告を棄却する決定をした。被告には発達障害があり、裁判員裁判の一審地裁判決は「社会の受け皿がない」として求刑を超える懲役20年を言い渡したが、高裁が破棄して懲役14年としていた。決定は22日付。二審判決が確定する。

 一審は、広汎性発達障害の一種、アスペルガー症候群である被告の量刑を決める際、「反省が不十分で、社会内に障害に対応できる受け皿がない」と指摘。「再犯の恐れが高く、刑務所に長期間収容して反省させることが社会秩序のためだ」とし、求刑の懲役16年を上回り、殺人罪の有期刑の上限である懲役20年を言い渡した。

 二審はこの判断を否定し「事件の経緯や動機形成に障害が大きく影響しており、被告に有利に考慮すべきだ」と指摘。「再犯の恐れがあるといえるほど反省が乏しいとは言えず、公的機関による一定の支援態勢がある」として刑を軽くした。

「公的機関による一定の支援態勢がある」

どうもこういう場合福祉施設をという話が出ます.確かに,罪を犯した障がいのある人の支援を行う場合福祉施設が望ましい場合はあります.

しかし,みんながみんなそうではありません.むしろそうではない場合が多いかと思います.本人が望む暮らしにできるだけ近い方が,その暮らしを継続したいと思うがために罪を犯さないで済むことは多いと思います.

これは,本人の住んでいた地域へ戻すということではなく,あくまでも本人が望む暮らしに近い生活です.

既存の福祉施設で対応することを基本にしてしまうと,本人中心からずれてきますし,福祉が司法の下請け化することにもつながります.障がい者は障がい者支援施設へというだけではないと思いますし,反対に施設が望ましい人には施設だと思います.

ただ,このケースもそうですが,もし,施設保護的な支援が必要であるとすれば,既存の福祉施設の流用ではなく,刑事政策上位置づけられた施設や機関を用いるべきであるかと思います.

不起訴,執行猶予事案もそうですが,福祉の居住型施設というものを矯正施設の代替にという発想は基本間違っていて,あくまでも刑事政策上のものが必要であると私は考えています.

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2013年7月19日 (金)

裁判員裁判の冒陳を聞きにいってきました~ケースが増えました~

とても忙しく,1ヶ月も記事が書けないでいました.

ケースが増えています.傷害事件が2件,迷惑防止条例違反1件,道路交通法違反1件,殺人未遂1件,現住建造物等放火未遂1件となかなか減りません.

出口支援も入ってくるのでなかなかの忙しさです.ずっと数件の意見書や更生支援計画書作成に追われている感じです.

そんな中,ずっと関わってきた殺人未遂事件の裁判員裁判がやっと始まり,先だっては,冒頭陳述の傍聴に行ってきました.

拘置所や留置場でしかあったことがない人が被告人の公判の時は,少し新鮮です.というのは,アクリル板越しではなくその人を見ることができるからです.握手できたらいいなと思いますが,それはできません.

冒陳については,検察官の方は,まあ公判前整理手続きでの争いどおりかなぁというところ.ちょっと驚いたのが,さっき乗ったエレベーターで,閉まりかけたドアを開けてくれた検察官が,冒陳をしていました.

弁護人の冒陳には緊張させられました.真ん中に立って,ペーパーを見ないで裁判員全員を見渡しながらの冒陳は初めて見ましたが.それよりもなによりも何度もその時に弁護人が発した「社会福祉士の...」「社会福祉士が...」がどれだけ緊張を生んだことか.

あんなに気を引き締めたられた冒陳は初めてです.久しぶりの裁判員裁判の証人尋問に向けて,ぴしっとさせられました.

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