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2016年1月13日 (水)

鹿児島の強姦無罪高裁判決に思う

毎日新聞から

 鹿児島市で2012年、当時17歳だった女性に暴行したとして強姦(ごうかん)罪に問われた元飲食店従業員の男性(23)に対する控訴審判決で、福岡高裁宮崎支部は12日、懲役4年の実刑判決とした1審・鹿児島地裁判決(14年2月)を破棄し、逆転無罪を言い渡した。控訴審のDNA型鑑定で、女性の体内に残された精液から男性とは別人の型が検出されたことから、岡田信(まこと)裁判長は「強制わいせつと認定する証拠さえない」と述べた。さらにDNA型が特定できなかった捜査段階の鑑定を「稚拙」と批判。特定できたのに捜査官の意向で鑑定できなかったことにした証拠隠しの可能性にまで言及した。

 最大の焦点は、女性の体液から検出された精液のDNA型鑑定の結果だった。捜査段階で行われた鹿児島県警の鑑定は「精液は確認されたが抽出されたDNAが微量で型の鑑定はできなかった」との結果で、1審判決は「精液の検出は『被告から暴行された』との女性の証言を強く裏付けている」と判断していた。

 控訴審では日本大の押田茂實(しげみ)名誉教授(法医学)による再鑑定が実施され、男性とは異なる第三者のDNA型が検出された。さらに、女性が当時はいていたショートパンツの付着物から検出された型とも一致。判決はこの鑑定結果から「事件当日と非常に近接した時期に第三者と性交渉を持った可能性が高い」と認定した。

 また、県警の鑑定について(1)鑑定に使用したDNA溶液の残りを全て廃棄している(2)鑑定経過を記載したメモが廃棄されている--などと指摘し「信用性に疑義がある」と言及。さらに、県警の鑑定ではDNA型が特定されなかったのに、控訴審では容易に鑑定された経緯を踏まえ、「県警の鑑定は著しく稚拙だった可能性がある」と指摘。「実際には型が検出されたのに被告の型と整合せず『鑑定ができなかった』とした可能性を否定できない」と証拠隠しともいえる構図にまで踏み込んだ。

 判決は検察批判も展開した。控訴審で検察側が新たに別の大学教授にDNA型鑑定を依頼し「被告の関与を裏付ける結果が出た」として証拠採用を求めたが、高裁宮崎支部が退けた経緯に触れ、「この鑑定は裁判所や弁護人に秘密裏に行われ、重要な資料の一部が失われた。公益の代表者としての立場を奇貨として行っており信義則違反だ」と述べた。【鈴木一生、志村一也】

検察の理念というのがある.村木さんの事件で検察の証拠ねつ造があり,検察官への実刑判決が出たこともきっかけになり,定められたものである.以下に貼りつけておくが,本当にこの理念,検察官全員が理解しているのだろうか?こういうことがあると,飯塚事件や和歌山カレー事件など,証拠ねつ造や隠蔽が疑われる事件についての疑念が出てこざるを得ない.刑事裁判は真実を明らかにするものだ.

こうなってくると,一部の検察庁に所属するソーシャルワーカーも,証拠づくりに知らぬ間に荷担してしまっているのでは?というようなことも思えてしまう.検察は正義のはず.正義が不当な手段を使うのは,対審構造どころか刑事司法のモラル以前の問題である.私は正義と真心で取り組んでいる検察官を何人か知っている,その検察官たちの心を踏みにじるようなことはやめてもらいたいものだ.

検察の理念

1 国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を自覚し,法令を遵守し,厳正公平,不偏不党を旨として,公正誠実に職務を行う。

2 基本的人権を尊重し,刑事手続の適正を確保するとともに,刑事手続における裁判官及び弁護人の担う役割を十分理解しつつ,自らの職責を果たす。

3 無実の者を罰し,あるいは,真犯人を逃して処罰を免れさせることにならないよう,知力を尽くして,事案の真相解明に取り組む。

4 被疑者・被告人等の主張に耳を傾け,積極・消極を問わず十分な証拠の収集・把握に努め,冷静かつ多角的にその評価を行う。

5 取調べにおいては,供述の任意性の確保その他必要な配慮をして,真実の供述が 得られるよう努める。

6 犯罪被害者等の声に耳を傾け,その正当な権利利益を尊重する。

7 関係者の名誉を不当に害し,あるいは,捜査・公判の遂行に支障を及ぼすことのないよう,証拠・情報を適正に管理するとともに,秘密を厳格に保持する。

8 警察その他の捜査機関のほか,矯正,保護その他の関係機関とも連携し,犯罪の防止や罪を犯した者の更生等の刑事政策の目的に寄与する。

9 法律的な知識,技能の修得とその一層の向上に努めるとともに,多様な事象とその変化にも対応し得る幅広い知識や教養を身につけるよう研鑽を積む。

10 常に内省しつつ経験から学び行動するとともに,自由闊達な議論と相互支援を可能とする活力ある組織風土を構築する。




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