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2021年10月

2021年10月28日 (木)

日本精神保健福祉士協会における今回の件についての報告を受けて

日本精神保健福祉士協会から構成員に対し「第49回衆議院総選挙における「地域共生社会推進に向けての福祉専門職議員連盟」役員の「推薦」と政治的姿勢について(ご報告)という文書が開示された。

超党派組織である地域共生社会推進に向けての福祉専門職議員連盟を支持していることやその理由,また,1人の議員だけではなく,全ての役員議員を推薦或いは支持していると書かれている点は,日本社会福祉士会とほぼ同じである。

一部誤解されている方がいるのでここで記しておくと,私は,超党派組織である地域共生社会推進に向けての福祉専門職議員連盟を公益法人である職能団体が支持すること自体は問題ないと思っている。そして,党派を超えてその役員を全て推薦・支持するのであれば,公益法人として優遇された法人の公平性や中立性は損なわれない。勿論,選挙運動として協力するのならば公示・告示後であることは言うまでもない。ちなみに,日本社会福祉士会は超党派で推薦・支持をしたとあるが,誰を推薦・支持したかについて事前に会員に何か図られたわけでもなく,公表もされていないことは,前回書いたとおりである。この組織の各党や野党に属する役員にも日本社会福祉士会が推薦・支持を出しているのかは,既に然るべき人物,組織が調査に入っていると聞いている。

しかし,今回のように,一つの政党に属する1人の議員を応援するのであれば話しは全く違うと思う。たとえそれが,この超党派組織の事務局長という役員だからといっても,この議員だけを都道府県会長会議で取り上げたのだから,特別扱いととられても仕方がないと思う。ましてや,衆院選挙告示前に推薦の依頼を受けて要請するなど,とんでもない話しである。よく公益法人が利益を考え与党を応援するために別法人をつくるというのがあるが,それに賛同する人が少ないということならば,その公益法人の構成員の意志ということになる。

日本精神保健福祉士協会と日本社会福祉士会の説明で違う点がある。日本精神保健福祉士協会は文書の中で,理事による会合で地域共生社会推進に向けての福祉専門職議員連盟への協力のあり方について再協議している。その結果,協会の政治的取り組みが構成員各位の国政選挙における投票行動に影響を及ぼす可能性が排除しきれないことを踏まえて,今後推薦には一層慎重であるべきとの確認をしたとしており。さらに,候補者個人からの要請により,都道府県支部長及び副支部長にも任意とはいえ推薦の協力を依頼したことについては誤解を招く恐れがあったと認識しているとしている。つまり,衆院選告示前であること等完全ではないにせよ,候補者個人からの要請により,推薦への協力を依頼したことについては,間違えであったとの認識を示していて,事実上の撤回である。この点は日本社会福祉士会の説明と全く違っている。さらに,国政選挙の際に依頼に応じて推薦するという既定方針についても,再検討していくとある。この点についても日本社会福祉士会の説明では微塵もうかがえない。しかしながら,その日本精神保健福祉士協会においても,公益法人が特定の議員への推薦を行った事の公平性や中立性の問題,選挙告示前に一般の構成員が知らない中で,メールで事を進めようとしたこと等については触れていない。

日本精神保健福祉士協会は,当たり前な事と前置きした上で,衆議院議員総選挙には構成員各位の自由意志で臨んでいただきたいとしている。私も含めて構成員は,日本精神保健福祉士協会に会費を納めている直接の構成員ということもあろう。であるならば,こういったことは構成員全体に知らせるべきである。

日本精神保健福祉士協会の今回の対応が,全てよしとは思わないが,少なくともコンプライアンスでの問題がなかったか検証したのがうかがえる。組織の選挙後の事を考えた対応とも言えるかもしれない。その点では日本社会福祉士会の対応と比較すると幾分ましなように思える。日本社会福祉士会においては,各都道府県社会福祉士会の本件における対応状況を明らかにして欲しいものだ,ちなみにこれも各会員レベルでの調査が始まりつつある。

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2021年10月27日 (水)

日本社会福祉士会の『福祉専門職支援議連』議員に対する推薦協力の経緯についての件

日本社会福祉士会会長が、各都道府県社会福祉士会会長宛に、与党衆議院議員への推薦状提出を書面で要請していたことについて,標題の説明文書が日本社会福祉士会のHPで公開されました。正直,これを読んで疑念が晴れた人は少ないのではないでしょうか。むしろ更に疑念が増した人が多いのではないでしょうか。

まず,1.ソーシャルケアサービス研究協議会の活動の一環としての依頼であることですが,ソーシャルケアサービス研究協議会が支援する超党派の福祉専門職支援議連をソーシャルケアサービス研究協議会の構成団体として,同議連への協力体制を強化することが総会で承認されたとあります。議連へ協力すること,即ち議連の事務局長の議員サイドから衆議院選挙での推薦要請があったので各都道府県会長に推薦要請をかけるということ,が筋の通ったことでしょうか?1人の議員を推薦することと同議連への協力は別の問題です。どうしても選挙協力するというのならば,してもよいか否かを会員に図るべきであり,そもそも議員を決めて応援するのならば,別に法人を作りそこに加入している人たちで進めるのが公益法人としての普通の姿です。この要請が,衆議院選挙の公示・告示前に行われたことも含め非常に疑問に思うのは,私だけでしょうか?

次に2.超党派の政党・候補者を対象とした活動であることですが,ここには,具体的な名前を出さず,本会は他にも同議連の候補者について党派を超えた推薦・支持を行っていますとあります。どの議員に対し推薦・指示を行ったのか全く示されていません。また,党派を超えようが議員への推薦・支持は政治的活動であり,直接公益法人が行うことには疑問がありますし,推薦・指示を誰が決めたかも明らかになっていません。百歩譲って同議連の候補者について党派を超えた推薦・支持を行ったというのならば,なぜ,この1人の議員だけ衆議院選告示前に各都道府県会長宛に推薦要請をかけたのでしょうか?そのことには全く触れられていません。

次に3.個人の投票を拘束するものではないことですが,当たり前です。書く必要も無いことです。しかしながら,会員は都道府県会に15,000円の会費を払い,その内5,000円は日本社会福祉士会に渡っています。会員の総意,もしくは多数決でこの議員への推薦が承認されているのならまだしも,会費を払っている会員に対して諮ることもせずにこのようなことを行うというのは,背任行為であると思います。

一部政党紙にて報道されたと前文に書いてありますが,政党紙だからこそ選挙中の今報道したのかと思います。選挙中で今報道すると通常のメディアの場合横やりが入る恐れがあります。ですので,他のメディアが報道しないのは,ある意味当然です。また,これと同様のことが,日本精神保健福祉協会でも起きており,しかも推薦依頼がかかって各支部に要請があったのは,日本社会福祉士会が推薦要請を出した議員と同じ議員です。

そもそもこういった行為は,ソーシャルワーカーの倫理要綱にある「信用失墜行為の禁止 自分の権限の乱用や品位を傷つける行いなど,専門職全体の信用失墜となるような行為をしてはならない」に抵触することではないでしょうか。

最後に,選挙運動について書きます。判例・実例によれば,選挙運動とは,「特定の選挙について,特定の候補者の当選を目的として,投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされます。今回の日本社会福祉士会,日本精神保健福祉士協会が行った,1人の議員に対する推薦要請は選挙運動です。さて,その選挙運動ですが選挙の公示・告示日から選挙期日の前日までしかすることができません(公職選挙法第129条)。違反した者は,1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号),公民権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)この要請は明らかに衆議院選挙の公示・告示前です。もし,日本社会福祉士会がいうように,他にも同議連の候補者について党派を超えた推薦・支持を行っていて,それが衆議院選挙公示・告示前になされたのでしょうか?それこそ大問題です。

公職選挙法違反の司法の取締や告訴は,通常は選挙終了後行われます。このあたり個人宛でも結構ですので,法曹の皆さんのご意見も欲しいところです。

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2021年10月23日 (土)

日本社会福祉士会会長名で各都道府県社会福祉士会会長宛て特定の衆議院議員への推薦を要請した件について

日本社会福祉士会会長が、各都道府県社会福祉士会会長宛に、与党衆議院議員への推薦状提出を書面で要請していたことがSNS等で話題になっています。それだけではなく,しんぶん赤旗(https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-21/2021102115_01_0.html)でも報道されました。

日本社会福祉士会は公益社団法人で内閣府の管轄下にある名前の通り公益を旨とする法人です。このような,公益社団法人として,特定政党のひとりの議員を推薦するのは,公益法人としての公益性そのものに疑いを生じさせる行為であると思います。また,日本社会福祉士会の会員である各都道府県社会福祉士会は,個人の社会福祉士をもって構成されています。それぞれの会員には当然,思想信条の自由が保障されており,各会員に諮ることも無く,その社会福祉士が個人が属する各都道府県社会福祉士会に特定政党のひとりの議員を推薦するよう要請することは,会員の人権を踏みにじる問題です。いやしくも,権利擁護を仕事とするソーシャルワーカーの職能団体が行うことではありません。

政治に関わろうとする公益法人は福祉関係にも多くありますが,それらは別の団体を作りそこに加入する会員のみに推薦の要請をしていて,公益法人そのものが特定政党特定の政治家を直接応援するというのは前代未聞です。

さらに,日本社会福祉士会は,各個人会員が都道府県社会福祉士会に納めている会費の3分の1を財源としており,各会員に支えられていると言っても過言ではありません。ソーシャルワーカーの職能団体たるものが,個人会員を無視した,非民主的な行為を行っていることは極めて問題であると考えます。

このような状況になっても,会員に向けてすら何ら説明もしていない状況は誠に遺憾な限りです。会見を開くのが当然ですが,それが難しいというのならば,YouTubeなどSNSを使うことも可能ではないでしょうか。なお,2019年11月には,日本社会福祉士会のTwitterページで,この推薦を要請した議員のパーティーに日本社会福祉士会会長が公の立場で出席し,握手して頭を下げている写真を公開しています。それなのに,なぜ今回の件は沈黙するのでしょう。

既にあちらこちらで公開されているものですが,ここでも関係の文書を添付させてもらいます。また,私も賛同者となっている,社会福祉関係者有志による,日本社会福祉士会会長宛,10月18日付の『衆議院選挙特定党派候補者への推薦要請に関する社会福祉関係者の抗議声明』も添付します Photo_20211023131002 Photo_20211023130901 Photo_20211023131101   

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